『ひなまつり』
今、俺の目の前にはひなまつりの人形が飾られている。
8、9段ほどある多い雛壇だ。俺には姉が居るため多分姉の為の雛壇だ。
ひなまつりは幼い女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事と言われている。
そして将来良い男性に出会えるようにと言う意味もあるとか無いとか。
1年に1回、雛壇を出すが3月3日の内に雛壇を片付けなければ婚期が遅れる、と言われているらしい。
全国の女性の皆様に幸あれ。
……これ、セクハラとかにならないよな? なったら、、、いや、考えないようにしよう。
『たった一つの希望』
みんなは腹が減った時、どうする?
そりゃ、何かを食べるだろう。肉でも、白米でも、野菜でも、魚でも、なんでも。
でも、お金が無かったら? 1ヶ月間を200円で乗り切れと言われたら?
ちなみに親には頼れない。理由は喧嘩したから。悪いのは俺。原因も勿論俺。
さて、話を戻そう。腹が減った時、この200円をどう使うか。おにぎりを買う?もやしで乗り切る?
ああ、良いだろう。
でもな、それには何かが足りない。人生を生きるのにも、そしてご飯を美味しくするのにも。
そう! それはスパイス!人生の方だとスパイス(と書いてスリルと読む)さ!
それを求めてこその男! いや、漢だ!
てことで今、俺の右手にはもう食べて棒だがあの超有名なアイスが握られている。みなさんご存知のソーダ味が有名な四角いやつ。
もうお気づきかな? ああ、そうだよ。俺は今からこいつで当たりを引く。それに賭ける。
もしも当たりを当てれたら、俺はこの1ヶ月間をもやしと何故か冷蔵庫の中にあるマヨネーズ1本で乗り切れる気がする!
俺はここで引く! 漢として! 来い!大当たり(ジャックポット)!
そして俺は棒の裏を見た。
…………その5秒後、俺は親に電話と謝罪、土下座をして帰った。
漢もたまにはプライドを捨てなければならない。プライドで飯は食えないのだから。
え? 当たったのかって? 聞くな、泣き喚くぞ?
『欲望』
眠い。
凄く眠い。途轍もなく眠い。
え? 何故眠いんだって? そんなの簡単、俺が全く寝ないでゲームばかりやってたからさ。
でもさ、しょうがないんだよ。ほら、よくあるじゃん? めっちゃ楽しくなってきたのにもう寝なきゃいけない時間みたいな。
だから俺は寝ようとした。明日やろうって。
でも無理だった。だって楽しくなって来たんだもん。
わかってくれるかな? いたら良いなぁ。
なんて思いながら俺は学校に行く準備をする。
時刻は8時43分。普通に遅刻。
さて、今日も帰ったら色々な生物をテイムする事にしよう。
『列車に乗って』
今日、初めて列車に乗る。
この後、どんな美しい景色や、どんな人達が居るんだろう。
そう、胸を躍らせながら席に座り、発車を待つ。
この先、トラブルがあるかもしれない。もう帰りたいと思う事も山ほどあるだろう。
だけど、そんな思いをしてでも列車に乗りたいと思った。
まだ見ぬ世界を夢見て、列車が発車した。
『遠くの街へ』
今日の天気は雨。それも豪雨だ。
まるで今の俺の心を表したかの様な天気だ。
明日、幼馴染の日和が転校する。父親の会社の都合らしい。
今までは隣の家だったのに、明日からは電車で何時間もかかる場所に行くらしい。
それを知らされた時、とても辛かった。俺たちは仲が良かったから。
でも、その日和とも明日、別れる。
とても悲しいし、ここに居て欲しいと言いたいけど、言えない。
多分、日和も同じだと思うから。
だから、俺は受け入れる。どれだけ時間がかかっても。
だから、この気持ちも閉まっておこう。俺の心の中に。
この気持ちを打ち明けてしまったら、多分泣かせてしまう事になる。俺も泣いてしまうだろう。
でも今、この部屋には誰も居ない。だから、誰にも聞かれない今、吐き出しておこう。
ずっと好きだった、日和。愛してる。
今、この天気なら、泣いても良いかな?
だって絶好のタイミングだよ、日和。