水たまりに映る空。
小さな小さな、水たまりに。
どうして空が映るのか。
ぴちゃん、ぴちゃんと、
空を揺らして仰いだ。
水の国で見つけた小さな海。
これは小学生の時、無邪気に思った物語。
まぁ、そんなに深く考えてなかったかもね。
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約束だよ。
誰かに伝えそびれ、届かなかった思い出も。
日に当たった緑の蛙がケロリと鳴く。
未来ある者に暗闇は要らないね。
沢山の思い出も、あはは、
ただのゴミでしかない…のかな?
攫われた姫を取り返せ!
未来はお前にかかっている。
未来はお前にかかっている!
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雨上がりの夜空は、
何故か、気まずくて、
少し、恥ずかしくて、
とても、甘酸っぱかった。
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勝ち負けなんて知らないわ。
どうせ、私たちはただの奴隷。
賭け事して殺し合い。
今日は、あの男の子ね。
「俺は、彼奴等に勝つ!だから俺を、殺してくれ、」
意気揚々と掲げたその目標。
私の人生の歯車を大きく回した。
彼は勝ったのだ。
私に殺されるという儚い価値だ。
彼は私に髪の束を預けた。
「これを俺だと思ってくれ。
そして、これは、俺の意思でもある。継げ。」
私は、継いだ。彼のために継いだ。
それからは、始まり屋と、呼ばれるようになった。
誰かの想いは髪に乗せられた。
始まりは私の手に託された。
この薄汚れた手に。
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まだ続く物語。
蒔いた種が芽を出して、大きく育っていく。
ぐんぐん茎を伸ばして葉を広げ。
後に蕾ができて、花を咲かす。
水に濡れて、輝き、いつか、枯れていく。
枯れてまた種をつける。
落ちた種が芽を出して、大きく育っていく。
まだまだ続く物語。
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