勝ち負けなんて知らないわ。
どうせ、私たちはただの奴隷。
賭け事して殺し合い。
今日は、あの男の子ね。
「俺は、彼奴等に勝つ!だから俺を、殺してくれ、」
意気揚々と掲げたその目標。
私の人生の歯車を大きく回した。
彼は勝ったのだ。
私に殺されるという儚い価値だ。
彼は私に髪の束を預けた。
「これを俺だと思ってくれ。
そして、これは、俺の意思でもある。継げ。」
私は、継いだ。彼のために継いだ。
それからは、始まり屋と、呼ばれるようになった。
誰かの想いは髪に乗せられた。
始まりは私の手に託された。
この薄汚れた手に。
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5/31/2025, 11:52:48 AM