桜川 猫未

Open App
6/1/2025, 11:29:34 AM

雨上がりの夜空は、
何故か、気まずくて、
少し、恥ずかしくて、
とても、甘酸っぱかった。
                        ❦

5/31/2025, 11:52:48 AM

勝ち負けなんて知らないわ。
どうせ、私たちはただの奴隷。
賭け事して殺し合い。
今日は、あの男の子ね。
「俺は、彼奴等に勝つ!だから俺を、殺してくれ、」
意気揚々と掲げたその目標。
私の人生の歯車を大きく回した。
彼は勝ったのだ。
私に殺されるという儚い価値だ。
彼は私に髪の束を預けた。
「これを俺だと思ってくれ。
 そして、これは、俺の意思でもある。継げ。」
私は、継いだ。彼のために継いだ。
それからは、始まり屋と、呼ばれるようになった。
誰かの想いは髪に乗せられた。
始まりは私の手に託された。
この薄汚れた手に。
                       ✡❧❦

5/30/2025, 11:26:47 AM

まだ続く物語。
蒔いた種が芽を出して、大きく育っていく。
ぐんぐん茎を伸ばして葉を広げ。
後に蕾ができて、花を咲かす。
水に濡れて、輝き、いつか、枯れていく。
枯れてまた種をつける。
落ちた種が芽を出して、大きく育っていく。
まだまだ続く物語。
                       ✡❦

5/26/2025, 11:26:22 PM

君の名前を呼んだ日、
何かに縋ろうと思っていた。
そして、無駄だとわかった。
名前を呼んでも帰ってこない。
辛すぎて笑えるよな。
誰の恨みも買わずに生きるなんて。
難しいなぁ。
あぁ、幻覚だよ。
                       ❦✡

5/25/2025, 11:53:40 AM

優しい雨音、遠き世の物語。
昔、ある男がいた。
とても優しい男だった。
何もかも困り果てている人に与え、
遂に男が困り果ててしまった。
「家もお金も服もない」
だが、男は幸せだった。
「これが人生なんだ」
と、笑って死んだ。
とても興味深く無様な男の一生だった。
おしまい。
                       ✡❧     

Next