3/6/2025, 8:03:26 PM
あの子が結婚したらしい
社会人になって4度目の秋、今でも月に1度は顔を合わせる私の親友、の友達、の更にその友達と結婚したそうだ
高校を卒業して以来、あの子が何をしているかなんて今の今まで何も知らなかったのに、「風の噂」とはよく言ったもので、福音は突然、どこからともなくやってくる
正直どんな顔だったかはよく覚えていない
凛と結われた翠の黒髪が時折揺れるのを、後ろから見ていただけだったから
現実と幻想が絡み合い、綾なされ、すっかりねじ曲がった記憶の中で、あの子の虚像は新月の夜に生きている
歩く、微笑む、残酷なまでに冷たく輝く
眩んで白んだ視界に焼き付いて離れない
静寂に包まれた新月の夜、人の形を成して私をからかいに来る月
きっとそれがあの子なのだ
そう思っていた
ダイヤモンドが光る薬指
純白のウエディングドレス
鳴り響く鐘の音
彼女は誰?
──── 黎明 ────
満月の夜、長い眠りから覚めた気がした
#風が運ぶもの
9/5/2024, 12:34:58 PM
きらめき
いずれ書きたい
8/31/2024, 12:00:50 PM
香水
いずれ書きたい
8/29/2024, 9:13:19 PM
「私の話聞いてる?」
『うん』
「あれ凄く面白かったの!」
『良かったねぇ』
「ここ行ってみたいんだよね!」
『良いね』
「私の話聞いてるばっかりで楽しい?」
『はいとても』
君はあまり喋らないよね
いつもそうだ
こっちの顔を覗き込むみたいに首をほんの少しだけ傾げて
困ったような眉で
縋るような目つきで
普段下がりっぱなしの口角は少しだけ緩んでいて
ただ、真っ直ぐに私を見ているだけ
今だってそう
「猫飼いたいな」
『うん』
「ねえ本当に私の話聞いてる??」
『うん』
「じゃあ今朝、何時に起きた?」
『.........うん?』
「聞いてなかったでしょ」
『ごめん』
私の事を大好きなのは伝わってくるので、許してあげようと思う
#言葉はいらない、ただ・・・
8/19/2024, 9:25:31 AM
鏡
いずれ書きたい