「見て!手が届きそう!」
そう言って展望台から身を乗り出すから危なっかしくて
俺はずっとその手を握っていた
…ずっと握ったまま離さなければよかった
人は死んだら星になるらしい
手を伸ばしたら君に届くだろうか
***星空***
いつだってifを考える
あの時こうしていたら
こっちを選んでいたら
嫌だって言っていたら
もし人生をリスタートすることになったとして
私は今度こそ正しい道を選べる?
それとも今が正しい道なのか?
わからない
わからない
わからない
***神様だけが知っている***
どこまでも続く林の中を進んでいく
どこまでもどこまでも
「ねえ、本当にこっちで合ってる?」
引っ越してきたばかりの友人は
不安そうに周りを見渡した
私は子供の頃から通り慣れた道だけど
地元じゃない人からしたら不思議らしい
「大丈夫。もうすぐ着くよ」
どこまでもどこまでも歩いていく
そして林を抜けるとそこには…
「うわぁ!本当に海がある!すごいね」
砂防林を抜けた先に広がるのは海だった
***この道の先に***
夏が来る前に毎年必ずやることがある
「これそこに引っ掛けて」
「なんか弛むけど向き、合ってる?」
「あ、違うかも!」
背の高い夫にサンシェードを取り付けてもらう
ウッドデッキとベランダの二か所、
下側はロープを通して手すりに縛って…
夏の準備完了
これで真夏の日差しも怖くない!
それなのに…
「ねえどうしてわざわざ日向で寝るの?」
ほんの少しできた陽が当たるスペースで
うちの犬たちは、くっ付いてお昼寝をしていた
***日差し***
いつもの通学路
晴れの日も雨の日も風の日も、
あの子の姿が見られるだけで楽しい気持ちになる
怒られた日も泣きたい日も友達とケンカした日も
あの子と目が合うだけで舞い上がる
あの子に会えない日は心が沈む
今日はいるかな…
ドキドキしながら通学路の角にある家の窓を見上げれば
「ニャー」
お目当てのかわいい子が待っててくれていた
今日はいい日になりそうです
***窓越しに見えるのは***