すみれ

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3/28/2025, 1:04:47 AM

「恋風」

曖昧な心にそっと
芽生える占める気持ちに
揺れる
このまま身を任せてさ
飛び込んでみたのなら

君が今何をして
どこで誰と笑っているんだろうって考えて
会いたくなったり
美しいものを見ると知らせたくなったりして
もどかしくなるこの気持ちは

恋に落ちることはきっと
もっと簡単だっていいはずだ
きらり光った思いをぎゅっと
ちゃんと抱きしめていく
今なら

君が吹かせた風にのって
たしかな一歩を踏み出すよ

君が好きだ

3/15/2025, 9:46:53 AM

春風がひらりひらり。はらりはらり。
1年間待ち焦がれていた瞬間が今日やってきた。
ほどよく暖かくて頬を撫でる風は時空を歪ませる。
ノスタルジックな言葉に表せない感情に包まれて、路地裏のすみっこでひとり立ち尽くして頑丈そうな太い幹を見つめた。
ちょうど3年前だ。卒業式のあと、君とふたりきりで最後の時間を過ごしたこと。

「ずっと隠しててごめん。」

聞いた事のない単語ばかりだったけれど、それが病名であることはすぐにわかった。
ドラマみたいな話だった。
信じられるはずがなかった。
“別れる”訳ではない別れが目の前まで迫っていることを突然告げられた私の涙を君は全身で包み込んでくれたよね。泣きたいのは、君のほうなのに。
私たちに永久の幸せの権利は与えられなかった。

最初のころなんて情けないほど盲目だった。
「なにがあっても大丈夫。」
どこから湧いてくるのかも分からない自信に溢れて、未来なんて見ないようにしていた。数年先でも同じように、手を取り合って生きていく未来しか見えない魔法にかけられていた。

春風を嗅ぐとそんな記憶が蘇る。あの日の決意が、とっくに捨てたはずの思い出が心に帰ってくる。
無理やり忘れようとしたことも、忘れる選択なんてできなかったことも、全部。

すれ違う人の横顔がふと重なり合って、思わず振り返っては胸の高鳴りが抑えられない。
期待を膨らませて見つめた先に君はもういない。「またあしたね。」
そういって笑っている君は、どこへ行ってしまったの。

春風よ、あの人を返して。
あの日に戻らせて。
最後にひとつだけ、もう一度だけ伝えさせて。
どうかあの日の風にのって届きますように。

愛してるよ。またあおうね。ぜったいに。

2/12/2025, 12:29:48 PM

「逆タイムカプセル」

10年前の今日に書いたタイムカプセルを開けた。

どんな大人になりましたか。
今は何をしていますか。
夢は叶えられましたか。
大切な人とめぐり逢えましたか。

質問ばかりの内容は私らしくて未来の自分にこんなにも希望を託していたのかと驚いた。

そんなあなたに、今日は過去への手紙を送ろうと思います。


過去のわたしへ

立派なお手紙をありがとう。どの言葉も今の私にとってとても原動力になるものばかりでした。他のなにものにも変えられない思い出を書き残しておいてくれてありがとう。
あれからいろんなことを乗り越えて、今の仕事に就きました。どんな仕事かは未来のお楽しみ。わくわくしながら自分でやりたいことを見つけて進んで行ってください。
もし、途中でどうしても辛くてもう歩けないくらいしんどくなってしまったら、1度休むことも大切。がむしゃらに走り続けるあなたの姿も素敵だけど、自分の身体のことも考えて判断できるようになったらもっともっと素敵な人になれるはず。
完璧だけを求めないで、ちょっとくらい妥協したっていい。その方向転換が今のわたしに繋がっていることだってあるかもしれないから。
あなたは今きっと、「どうして未来のことを何も教えてくれないの?」って思っていることでしょう。
それは、ここまで生きてきてひとつのこたえが見つかったからです。
未来のことは分からないからおもしろい。
分からないから頑張れる。分からないから進んで行ける。
1度きりの人生を恐れずに進んで行ってほしいから、ここでは答え合わせのようなことはしない。
自分の足で正解を見つけていってほしい。
それが今のいちばんの願いです。
自分を信じることをやめないで。
ずっと応援しています。

未来のわたしより

届くはずのない手紙。
でもここまで書いてしまったのはきっと、
未来の記憶が今日まで私を導いてくれたような気がしたから。