目が覚めるまでにわたしは夢を見る。
今日の夢はそんなに悪くない夢だった。
悪夢を見た時は飛び起きてしまったことがある。
目覚めは最悪だ。汗をたくさんかいていた。
病室と聞いて何が思い浮かぶ?
見舞いの花?ベッド?白いシーツ?
わたしはこの病院に入院している患者だ。この病院は庭がとてもきれいに手入れされている。ここの庭師さんとはよく喋る間柄だ。今日も、
「おはようございます」
「おー、おはよう。今日の体調はどう?」
「まあまあまです」
「まあまあかぁ、俺は元気だよ。見て、新しい
花が入った。これから植えるよ。」
と、まぁこんな感じで喋る。この人は新しい花が入ってくるといつもよりテンションが上がるんだった。にっこり笑顔になっている。新しい花はどうやらこの近辺で見る花ではなさそうだ。花の知識が皆無に等しいわたしはなんの花か分からなかった。ラベンダーとか植えてほしいと言ったら「それはありきたりだな」と言われた。多分今も植えられてないから却下されたんだろう。
正直になんの花か聞いてみることにする。
「今日はなんの花を植えていらっしゃるんですか?」
「んー、今日はウツボグサを植えるよ。」
その後少し喋ってお別れした。部屋の窓からはきれいに手入れされた庭が見える。花で色とりどりだ。
どうしてウツボグサを植えたのか聞けばよかった。
その2日後、この少女は死んだ。
あーした天気になーれ
もし明日晴れたら、外で遊びたいなー。
雨が降っている。湿度が高いせいで髪がベタベタして少し気持ち悪い。今日は外に出かける気が起きないと思いつつ、カップに口を運ぶ。苦いのは苦手なのでミルク多めのカフェオレ。あったまる〜。
飼い猫がキャットタワーでくつろいでいるのを見て自分もゴロゴロしたくなる気持ちを抑える。これから皿を洗わなければ。その後に猫にかまってもらおう。
ザーー、ザー、ガチャン。カチャン。皿と皿同士がぶつかる音がBGMになる。おっ、鳴いてくれた。コーラスありがとう。ちゅーるをあげなければ。
ああ、幸せだ。
だから、1人でいたい。あっ、1人じゃない。君がいる。
瞳から涙が流れる
その涙は嬉し涙? そうだと嬉しいな
今日は特別な日 私とあなたの大切な日
人は泣く 嬉しくて 悲しくて 悔しくて 怖くて
理由は様々 どれも心が動いた時
その中で その澄んだ瞳を濡らす理由がわたしなら
なんと嬉しいだろう