雨が降っている。湿度が高いせいで髪がベタベタして少し気持ち悪い。今日は外に出かける気が起きないと思いつつ、カップに口を運ぶ。苦いのは苦手なのでミルク多めのカフェオレ。あったまる〜。
飼い猫がキャットタワーでくつろいでいるのを見て自分もゴロゴロしたくなる気持ちを抑える。これから皿を洗わなければ。その後に猫にかまってもらおう。
ザーー、ザー、ガチャン。カチャン。皿と皿同士がぶつかる音がBGMになる。おっ、鳴いてくれた。コーラスありがとう。ちゅーるをあげなければ。
ああ、幸せだ。
だから、1人でいたい。あっ、1人じゃない。君がいる。
瞳から涙が流れる
その涙は嬉し涙? そうだと嬉しいな
今日は特別な日 私とあなたの大切な日
人は泣く 嬉しくて 悲しくて 悔しくて 怖くて
理由は様々 どれも心が動いた時
その中で その澄んだ瞳を濡らす理由がわたしなら
なんと嬉しいだろう
嵐が来ようとも
この体で 素敵な心で 乗り切って見せよう
この人生 辛くなったら 立ち止まっても大丈夫
嵐は止むのだから 嵐を起こしているのは私かもしれない
この心は嵐のように 荒れて 大胆だから
花火が上がるのってだいたいお祭りの時だ。川の向こうで打ち上げ花火と祭りが開催されているらしい。
わたしは仕事から帰宅して缶ビールを呑んでいる。おつまみは近所のスーパーで買った枝豆。シンプルイズザベスト。美味しい。打ち上げ花火はここから見えない。それが残念だが、音は聞こえる。その音を聴きながらの晩酌は最高だ。いや、少し物足りない。
ホワイトベリーの「夏祭り」を思い出す。今頃中高生や子供を連れた家族が花火を楽しんでいるに違いない。自分にもそういう甘酸っぱい思い出があれば良かったが、呑みながら思い出すのは今日のこと。呑んでよく寝て、明日に備えなければならない。
目が覚めたのが少し早かったようだ。耳元で、花火が残していったあの音がかすかになったような気がした。昨日のことが幻のように感じた。ここで、私は涙を流していたことに気づく。わたしの夏が過ぎてゆく。
神様が舞い降りてきてこう言った。
自分のこと愛してる?大事にしてる?
相手のことを考える余裕ある?
幸せにしたいと思える?
今のわたしならこう答える。
ちょっと余裕がないな。でも自分が少しわかるよ。