お気に入りのものはたくさんある。
マグカップ、ボールペン、お菓子のメーカー、ニット、ブーツ、カトラリー、ランチョンマット、ネックウォーマー·····。
好きとはまた違う「お気に入り」という感覚。
ボロボロになるまで使うのが〝お気に入り〟
大切過ぎて逆に迂闊に触れないのが〝好き〟
なのかな、とぼんやり思う。
これは多分人によって感覚が違うんだろうな。
私とは逆の感覚の人もいるだろう。
好きだから使い倒す人、お気に入りだから滅多に触れない人、色々だと思う。
微妙なニュアンスだから、説明が難しいな。
END
「お気に入り」
多分、今誰よりも寝たい気持ちが強いの私だ。
眠くて何も考えられません。おやすみなさい·····( ⌯ω⌯)
END
「誰よりも」
『お元気ですか。って、あなたが元気だから10年後の私も手紙が書けているのでしたね。愚問でした。
あなたが気にしていた事をお話します。
一つ目、あなたの推しは今も現役バリバリで活躍しています。安心して。
二つ目、某ミステリ作家のシリーズ最新作は××××××
三つ目、超長期連載の某コミックはまだ×××××
四つ目、あなたの大好きな某BL漫画はまだ最新刊が×××××
未来から過去に送って、文字とかどうなってるか分からないけど、とりあえず10年後はそんな感じです。』
手紙を読んだ私「うがーーーー!!!」
END
「10年後の私から届いた手紙」
商店街に〝例の歌〟が流れ始めると、堅苦しいと言われるこの職場でもそわそわする人達が出始める。
それは男女の別などなくて、職場全体が妙にふわふわと落ち着かない空気に包まれていた。
「~~♪」
鼻歌で〝例の歌〟を歌うその人の姿を見たのは、一人や二人では無い。上機嫌で歌を歌いながら歩くその背を見送って、今年も来たと人々は噂しあっている。
「あの人からチョコを貰う羨ましい人は誰だろう?」
あの人が毎年誰かにチョコを贈っているのは周知の事実で。でも誰が貰っているのかは不思議と分からない。貰った人間はよほど上手に誤魔化すか隠すかしているのだろう、それともあの人が堅く口止めしているのかもしれない。
誰もが憧れるあの人。
気さくに話しかけてくれるあの人。
そんなあの人の心を射止めた幸運な人は誰――?
人々が噂してるとも知らないで、あの人は今日も上機嫌で〝例の歌〟を歌っている。
◆◆◆
「別に深い意味はないんだけどなぁ」
銀紙をペリペリと捲って。バナナペーストの入ったチョコをぽいと口に放り込む。
「みんな同じチョコだし、なんなら自分も食べてるし。〝お疲れ様〟くらいの気持ちなんだけどなぁ」
「そうはいかないのを知ってるでしょうに」
「うーん」
「勘違いされる前に配るのやめた方がいいよ」
「うーん」
冬だというのに妙にあたたかいバレンタインの夜は、こうして静かに更けていくのであった。
END
「バレンタイン」
どれくらい?
どれくらい待てばあなたの言葉は現実になる?
何年前からその言葉を言ってる?
もう何百回、何千回その言葉を言ってる?
言い訳がましく何人の人間にその言葉を言ってるの?
あなたの言葉を信じて待って、何人の人が死んでいった? 待ち切れなくて、耐えられなくて、何人の人が逝ってしまった?
ねえ神様。
あなたの言う理想の世界、いつになったら現実になるの?
END
「待ってて」