涙の理由など、数え上げればキリがなかった。
視界に入ることの出来ない孤独
浴びせられる言われなき中傷
周囲と比べて抱く孤立と劣等感
泣くなという方が無理な環境で、それでも彼女は最後まで、私以外の誰にも涙を見せることは無かった。
◆◆◆
「どうしましたか?」
「·····あぁ、ごめん。太陽が、眩しくて·····」
強い光は周囲を白く輝かせ、決然として立つ彼の姿を黒く濃く際立たせる。微笑むことも泣くこともないその姿に、私は不意に溢れてきた涙を抑えることが出来なかった。
◆◆◆
「どうした?」
「いや·····電気が全部消えるとこんなに暗いのかと、思って·····」
音も無く、光も無い世界は自分の姿すら曖昧で、闇に溶けてしまったかのような錯覚に陥る。暗黒の中でシニカルに笑うその姿は、私に泣くことすら出来ない孤独を伝える。
◆◆◆
泣けない者達ばかりの世界で私はただ一人きりで涙を流す。
みんな孤独で、みんな寂しくて、みんな意地っ張りだった。
END
「涙の理由」
こんなキャッチコピーの広告だかCMだかがあった気がする。
ココロオドル·····そんな感覚あんまり無いなぁ。
END
「ココロオドル」
束の間の「束」は指四本分くらいとか、こぶし一つ分くらいの長さらしい。分かりやすく言うなら約八センチくらいだそうだ。
確かに短い。
仕事中ならちょっと水分補給をするぐらいの時間しか無い。
それでも食べていくためには働かないとなぁ。
END
「束の間の休息」
力を込めて
祈りを込めて
怒りを込めて
気持ちを込めて
心を込めて
「入れて」より「込めて」の方がより強い意志や感情があるような気がする。
力を込めた演説は人の心を揺さぶるけれど、こちらの心を揺さぶったのならそれだけの何かを成し遂げて欲しい。
そう思うのは私だけじゃないと思う。
END
「力を込めて」
後悔もある。喜びもある。
戻りたいと思ったことは何度でも。
もしも戻ってしまえたら、今まで積み重ねた私はどこに行ってしまうのだろう?
無かった事になって、積み上げた物も想いもリセットされたら、今までの私は綺麗すっかり消えてしまう。
それは嫌だなと、ぼんやり思った。
END
「過ぎた日を想う」