俺はさ、帰ったらずっとアイツの隣にいようって決めてたんだ。
アイツの隣で、アイツの影になり日向になり、アイツの為に生きて、アイツの為に死のうって思ってたんだ。
アイツは一人で何でも出来ちまうヤツだけど、だからって一人でいる必要はないだろ?
あ?一人じゃなかったんじゃないかって?
まぁ確かに、アイツを慕う奴は多かったな。
なんせ最高の男だからさ。憧れとか親愛とか、色んな感情でアイツを慕う奴はいたよ。
·····それでもアイツは一人だったんだ。
だから帰ったらずっと隣でアイツを守ろうって、思ってたんだけどなぁ。
ま、結末はアンタが知ってる通りだよ。
END
「ずっと隣で」
「もっと知りたい」
そう思う事が最近あまり無い。特に、人に対して。
だいたいを〝どうでもいい〟と思うようになって、人に対しての興味が減った。もともとあまり無かったのかもしれない。人を好きになった記憶もあまり無いし、同級生が転校しても「仕方ないか」で済ませてきた。知りたい事はだいたい本を読めば済むし、執着が無いのかな、とも思う。
今のところ、それで不都合は無いからいいか。
END
「もっと知りたい」
平穏なんてどこにも無い。
いつも、いつでも、終わりが来る日を覚悟している。
私に終わりをもたらすものは、災害かもしれない。
事故かもしれない。事件かもしれない。病気かもしれない。それらはいつ、どこでやって来るか分からない。だからいつも、いつでもそんな終わりを覚悟している。
でも、もし·····。その終わりをもたらすものが私のごく身近な、そう、私の家族だったら·····。
私はどこに感情をぶつければいいのだろう?
END
「平穏な日常」
愛と平和を掲げて戦う正義の味方。
その手段はだいたい暴力。
愛と平和の為に戦う〇〇仮面に、父親であるモブ戦闘員Aを殺されたB少年は、秘密結社の託児所でそれを聞かされて〇〇仮面への憎悪を募らせていくのだろう。
あぁ、なんだ。
これって、現実の戦争と一緒だ。
END
「愛と平和」
過去に戻ってやり直したいことは山ほどある。
小学生の頃、運動会で恥ずかしい失敗をしてめちゃくちゃ泣いた。
中学生、いじめられててまともに口も聞けなかった。
就職の面接、馬鹿な失敗ばっかりして軒並み落ちた。
過去に戻ってこれらの失敗を無かった事に出来たら、私の人生は違っていただろう。
家を出て、正社員になって、結婚していたかもしれない。ある程度貯金もあって、〝普通〟の幸せを手にしていたかもしれない。
でもそれは、果たしてワタシと言えるのだろうか?
過ぎ去った日々は戻らない。
過去の失敗も、時々あった成功も、それら全ての積み重ねが今のワタシであるのなら、やり直したらワタシでなくなってしまうのだろう。
過ぎ去った日々は戻らない。
後悔しながら、懐かしみながら生きる事こそが人生なのかな、と思ったりする。
END
「過ぎ去った日々」