ユメツツル

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3/5/2024, 10:49:34 AM

ここ最近、会社と家を往復する生活ばかりだったので、運動がてら散歩してみることにした。

日差しが眩しい。
たまにはこういうのもいいかもしれない。
正直もう充分だから帰ってもいいのだが、運動がてら出てきたので、もう少し歩いてみよう。

「にゃお〜」
おっ猫だ。首輪はついてない。
ちょっと歩いてはしきりにこちらを振り向くので、着いていくことにした。
細道……路地裏……空き地……
たどり着いた先は、神社だった。
管理も行き届いていて綺麗な境内だ。
「こんにちは」
「こんにちはっ」
どうやら猫はここに住み着いてるらしい。挨拶してくれた、神主の足元に擦り寄っている。
すると神主はどこかに行ってしまった。と思ったら、バタバタと何かを持って戻ってきた。猫缶のようだ。

猫は人間を大きな猫だと思っている節があるらしい。
もしかしたら、ご飯に誘ってくれたのかな。
そんなことを思いながら、境内から綺麗な夕日を見て、スマホを手に取った。

「あっ電池切れ……」

3/4/2024, 2:43:02 PM

あれから何年たっただろう。
私が落ち込んでる時にいつも声をかけてくれた。
仕事でミスをしても手伝ってくれた。
よく飲みに行って笑わせてくれた。
ムスクの柔軟剤とシガーの香り。
気づけば好きになっていた。

でもあなたは遠くに行ってしまった。

今でもたまに思い出す。
あの人と同じ甘い煙に巻かれて、叫んでやる。

「……ばーか」

3/3/2024, 11:29:36 AM

今日は3月3日。
桃の節句というやつだ。
町中が桃色に染まる、素敵な日。
桜にひなあられ、素敵なひな壇に桜餅!

こんなに素敵な日なのに、うちのパパもママもテンションが低いなぁ💦
ママは台所で桜餅を手作りしている。おばあちゃん直伝のあんこが絶妙な甘さで美味しいんだよね〜♡
パパはリビングでソファに座りながら、青空を眺めている。確かにいい天気だけどぼーっとしすぎじゃない?

昼下がりの麗らかな春の日。
それは私たちにとって特別な日だ。

私はママの桜餅を食べて、かえる。

「美味しかったよ。またね」

3/2/2024, 2:15:00 PM

動物は嫌いだ。
毛はつくし、匂いは移るし、散歩に行かなきゃ行けないし、病院代は高いし、気軽に外出もできない。

赤ちゃんの頃はより手がかかる。2時間おきにミルクをあげて、湯たんぽが暑すぎずぬるすぎないか確認しなきゃいけないし、小便ですら促さなきゃできない。

大きくなったらなったで、夜泣きはうるさいし、暴れまくって部屋中酷いし、仕事の邪魔はしてくるし、ベッドの大半を占領されて、寝不足が続く。

老いぼれても手がかかる。口元まで水と食べ物を嚥下させなきゃいけないし、オムツを変えなきゃならない。

死んだ後でさえも迷惑ばかりかける。
色んなところに、あいつの傷がある。
ここにも、ここにも、ここにも……


だから動物は大嫌いなんだ。