たまには
何をしても、急かされているような気がする。
周りに追いつこうと、もがきながら進む自分がいる。
ーでも、なんだか疲れちゃったな・・・
たまには、そっと休ませてよ。
最近、五十嵐ハルさんのめんどくさいのうたにハマってずっと聞いています。(みけねこ)
大好きな君に
君の喜ぶ顔が見たくて、帰りにケーキを買った。
好きなものを詰め込んだ箱を見たら、君はどんな風に笑うんだろうか?
大好きな君に、僕なりの伝え方で、今日も大好きを伝える。
そんな毎日が、幸せに溢れていて、たまらなく愛おしい。
たった一つの希望
「君が、我々の唯一の希望なんだ」
雨が降らず、田畑は干からび、村は困窮していた。
とにかく、雨を降らせなければ・・・
そして、雨を降らせる龍神様に生贄として私を渡すことが決まった。
そのことを村長から聞かされた時、私が感じたのは
ー絶望でなく、喜びだった。
もともと、孤児で村に居場所はなく、村に迷惑をかけることをつらく思っていたのだ。
こんな私の犠牲で村が救われるのなら・・・
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「・・・やらぬ」 「えっ?!」
生贄として、龍神様の元に参ったその日。
雨を降らせてほしいと伝えると、龍神様はすぐに断ってきた。理由を尋ねると、こう返してきた。
「あの村は昔から雨が降りにくい。こんな日照りも経験している。日照り対策をとっているだろう。お前が生まれる前の話だが、これくらいの日照りの時でも村は滅びず、生贄も出さなかった」
「そんな、では、私だけが希望だと言うのは」
「そんなことを言われたか、それは嘘だ。体のいい厄介払いをしたかっただけだろう」
嘘だったの?私が希望になれるならと思って、生贄になったのに?いなくなっても良かったの?
見捨てられた悲しみにくれていると、龍神様が声を掛けてきた。
「・・・哀れな娘、お前に免じて雨を降らせてやろう。
だが生贄は必要ない。お前は好きに生きろ」
「・・・私は希望を持っても良いのですか?」
「希望が無ければ生きられぬ。持って良いのだ」
希望を持ってず、村から唯一の希望だと騙されて龍神様の元にやってきた娘は、龍神様に説かれて自分自身の希望を持つ。その後、娘は龍神様の元に押しかけ女房として居座り、龍神様と夫婦となり、子を産み、末永く幸せに暮らしたそうな・・・
現実逃避
嫌なことがあった。
関わりたくないことに巻き込まれた。
目を逸らしたいものが前にある。
ー現実には嫌なものが溢れている。
私の場合、そんな時は本の世界に現実逃避する。
読んでいる本にもよるけど、ファンタジー小説なら、
私は主人公と一緒に、冒険の旅に出たり、
かわいい動物に癒されたりする。
時代小説なら、その人の生き様とか、人生を少し
覗き見して、自分なりの考察なんかをする。
たっぷりエネルギーを補給して、私は、現実に戻る。
だけど、側には本の中の彼らがいる。
太陽のような
真っ暗で、寒くて、まとわりつくような闇の中にいた。
たくさんの人に囲まれていても、それは消えなかった。
始めは小さかった黒い染みが、どんどん広がった。
こんなところに、居たくない。
こんなふうに、真っ黒になりたくない。
ーそんな時に、君が現れたんだ。
太陽のような君が、僕の闇を祓う。
黒い染みの心が、君の笑顔で白くなる。
闇の中にいた僕を救った、僕の太陽。
こんなやつの隣なんて、似合わないはずなのに。
ずっと側にいてくれる。
君の体温は、陽だまりみたいに、あたたかい。
僕の心もあたたかくなる。
また一つ、君に助けてもらったなぁ・・・