イブの夜
クリスマスケーキを食べて、歯を磨いて、
お風呂に入って、パジャマに着替えて、
靴下を準備して、ベッドに横になったら、
いつも通りで、ちょっと違う、イブの夜がふけていく。
今夜は世界のどんな子どもにも、
サンタがやってきて、プレゼントを贈る。
今夜だけは、どの子たちも、笑って眠ってほしい。
今夜だけ、世界が平和でありますように・・・
プレゼント
明日はクリスマスイブ。
サンタがやってきて、プレゼントを置いていく。
男の子にミニカーを。
女の子に可愛い人形を。
知りたがりの子に絵本を。
子どもだった人にもプレゼントを。
みんなにプレゼントを贈る。
さぁ、君へのプレゼントは何かな?
ゆずの香り
家に帰ってくるとゆずのいい香りがした。
ーあぁ、今日は冬至か。
忙しすぎて、年中行事をする気も起きなかった。
バタバタと駆けてくる足音。漂ってくる夕飯の匂い。
「おかえりなさい。今日は遅かったね。ご飯できてるよ!あっお風呂が先の方がいい?ね!今日は冬至だからあずきかぼちゃ作ったの!それからお風呂はゆずのお風呂になっているから」
君がいて、こんな会話ができる、この日常が愛おしい。
「ただいま」
さっきまでの疲れも吹き飛んで、君のいるこの日常に、ただいまを伝える。
前回の日常の続編です。(みけねこ)
大空
ーカァォ、カァォ
大空に大きなV字が見える。
カラスの鳴き声とも違う。
この独特の声はー白鳥だ。
今年も白鳥が越冬にやってきた。
大きなV字がゆっくりと進んで行った。
白鳥が冬を連れてきたように思えた。
とある日の白鳥を見た人の話。
ベルの音
ーカラン、コロン
喫茶店のドアベルが鳴る。
心地よく暖められた室内に、ほっと息をつく。
店の奥から流れる音楽は、静かめだけど存在感がある。
コーヒーの匂いが満ちていて、けど落ち着く。
カウンターの上には、小さめのケーキが見えた。
ーいいお店、見つけちゃった。
午後3時おやつの時間、素敵な喫茶店で。
とある日の喫茶店の客の話。