夢と現実
夢を見るのは簡単だ。
でも現実を見たら、それが叶うかはわからない。
子供の頃、現実なんて考えず、簡単に夢見ていたことが懐かしく、羨ましく感じられる。
大人になった自分は今、現実から抜け出す夢を見る。
さよならは言わないで
明日、好きだと言って、私も好きと返した彼が旅立って行く。時間の流れは残酷で、もう夕焼けが暗くなり、そろそろちゃんと家に帰らないといけなくなった。
ー暗いね。
独り言のように彼がつぶやくその言葉が、私の心に鈍く刺さる。さよならなんか言いたくない。だったら・・・
ーさよならを言う前にって言ったけど、あれ取り消す。
ーん?
ーさよならなんか言ってやらない!!
・・・だって、まださよならじゃないでしょ!
お別れなんてしない!会いに行くから!もし会えな
くても、また絶対に会うんだから!!
彼は少し驚いたけど、君らしいと笑ってくれた。
ーそれじゃあ、また会おう。
ーうん。
さよならは言わないで、私たちはそれぞれ帰った。
光と闇の狭間で
聖人君子ってほどでもないけど、人に親切なことして。
陰口で嫌なこと言われたら、言った奴死ねばいいのにとか思ったりして。
光と闇の狭間で、どっちつかずの人生を歩いている。
結局、自分はどうありたいのかわからないままだ。
距離
好きな人と隣の席になった。
でも、授業以外であまり話さないし、共通の話題もないし、そもそもの距離感が"クラスメイト"のまま。
そんな訳で、今日も君との距離は机一つ分空いたまま。
泣かないで
潤んだ瞳から溢れる涙を、後から後から拭うしかできない僕は、なんて役立たずなのだろう。
君を抱きしめて、頭を撫で
「泣かないで・・・」
としか言えない僕を、逆に君が
「私より泣きそうな顔しないでよ」
なんて慰めるんだから、余計にそう思ってしまう。
「あなたが泣き出す前に、私も泣き止まなきゃね」
泣き笑いながら言うんだから、なんとも言えないけど、
僕なんかで君が泣き止むのなら、それは君の役に立った
んだろう。