秋風
ーあんなに綺麗だったモミジも、秋風に飛ばされて散っていった。
寂しくなった木を眺めていたら、隣に彼がコーヒーの匂いと共に戻って来て、
「もうすぐ冬ですね」
と、ぽつりと言った。そのまま、雪が降る前にしたいこととか、雪が降ったらどこへ行こうかとか、いろいろな話を一通り話して。
「来年もまた、こうやって冬の前のモミジを一緒に見たいですね」
なんて呟くんだから。
寒さでなのか、恥ずかしさなのか分からない、赤い顔をした私は、もう彼のくれたコーヒーを飲むことしかできなかった。
前回の秋恋・秋🍁の続編です。三部作になりました。
(みけねこ)
また会いましょう
タイムカプセルに埋めた未来への手紙。
自分の将来の夢、目標、暮らし。
もしかしたら、の結婚相手、増えた家族。
そんなことの中に紛れて、同級生たちとまたこの場所で、再び会える約束を。
願いを込めてーまた会いましょう!
スリル
人生にスリルって必要だと思いますか?
そりゃぁ、退屈はつまんなくて嫌ですが、だからってわざわざ危険に飛び込む必要はないと思うんです。
だって何もしてなくても、危険とかドタバタは向こうからやってくるじゃないですか。
その時が来たら柔軟に、臨機応変に対応すればいいと思いますよ?
まぁこれは私(みけねこ)の考えなので他の考え方と比べて、自分に合った方を選ぶなり、自分なりに考えたりしてくださいね。
飛べない翼
イカロスはロウで作った翼で空を飛び、太陽の熱でロウの翼は溶け、海に落ちて死んだ。
無謀だとも思われるその行動を、私は尊敬する。
たとえ飛べない翼でも、海に落ちて死ぬかもしれなくても、イカロスが強い勇気を持っていたからできた行動なのだ。
ー私にも、そんな勇気があればいいのに。
ススキ
ふわり、と白く小さな綿毛が肩にとまる。
なんだろうと思って、つまんでよく見るとススキの綿毛だった。
手を離すと、風に乗りまたふわりと飛んでいく。
「お前は自由にどこへでも行けるんだなぁ」
人間みたいにしがらみに縛られず、自由にどこでも生きられる、そんな彼らが少し羨ましくなった。