秋風
ーあんなに綺麗だったモミジも、秋風に飛ばされて散っていった。
寂しくなった木を眺めていたら、隣に彼がコーヒーの匂いと共に戻って来て、
「もうすぐ冬ですね」
と、ぽつりと言った。そのまま、雪が降る前にしたいこととか、雪が降ったらどこへ行こうかとか、いろいろな話を一通り話して。
「来年もまた、こうやって冬の前のモミジを一緒に見たいですね」
なんて呟くんだから。
寒さでなのか、恥ずかしさなのか分からない、赤い顔をした私は、もう彼のくれたコーヒーを飲むことしかできなかった。
前回の秋恋・秋🍁の続編です。三部作になりました。
(みけねこ)
11/14/2023, 10:58:14 AM