目が覚めると
目が覚めたら、真っ暗で、私一人しかいなくて・・・。
なんて想像をすると怖くなる。
一人になりたい時もあるけど、たぶん本当に一人になりたい訳じゃないから。
ーでも、目が覚めると。
私の隣には君がいて、いつのまにか、私の手を握っている。むにゃむにゃ寝言を言いながら、寝返りをうつ。
その手の温かさが、私を現実に戻らせてくれる。
ー私は一人じゃない。今日も君が隣にいる、と。
私の当たり前
わかっている。わかっているんだ。
自分が周りと変わった存在だと。
だから、目をつけられないように、『普通』のフリをして、やられないようにしなくてはいけない。
それが私の当たり前だ。
ーだが、ふと思う。
周りに混じって、周りと同じことを・・・他人を傷つけ、存在を否定し、堕ちるところを見て笑っている私は・・・本当に私か?
これは奴らの『普通』であって、私の『普通』じゃない。・・・こんなの間違っているなんて言えないが。
私は私なりの『普通』が通せるようになりたい。
私が変わった存在だとしても、これを当たり前と言える勇気を持ちたい。それが今の私の目標だ。
街の明かり
寝る直前の私の習慣。
ベッドの側の窓を開ける。夜風がカーテンを揺らす。
目に飛び込んできた街の明かり。月の光。星の輝き。
今日も誰かが、日々の生活を営んでいる。
街の明かりがそれらを照らす。月と星がそれらを包む。
私はそれを見て、私も生きているんだって思える。
街の明かりに、おやすみを。明日の私も、よろしくを。
七夕
「七夕の日は雨が降ることが多いよねー」
テレビの天気予報を見ながら、あなたが言った。
「まぁ、涼しくなるのはいいんだけど。天の川が増水して、二人が会えなかったらかわいそうだな」
ちょっと変わった考え方だけど、あなたらしくて素敵だった。
「じゃあ、短冊に 二人が会えますように って書こうか?」
私の提案にあなたの目が輝く。
「それじゃあ僕は、 来年も一緒にいられますように って書くよ!」
それって織姫と彦星のこと?それとも私たちのこと?
気になったけど、聞かないでおく。あなたの笑顔を見ていたら、分かるような気がした。
短冊に願いを込めて・・・
友だちの思い出
この頃、ふと思い返す。
君の声、君の手の温もり、君の背中。
春は桜舞い散る中、お花見をした。
夏は入道雲の下、キンキンに冷えたラムネを飲んだ。
秋は落ち葉を蹴散らして、追いかけっこをした。
冬は雪が降る中、霜焼けになるまで遊んだ。
記憶の中に残っている君との思い出は、鮮明だ。
スマホの連絡先に登録されているのに、今の君のことはよく知らない。靄がかかったようにぼやけている。
この頃思い返すのは、君に会いたいからなんだろう。