やりたいこと
明日は、特に何か用事があるわけじゃない。
久しぶりの何もない日曜日になるだろう。
ーだけど、そしたら明日暇になるなぁ〜
ふと、目をやると机の上に置いてあるメモ帳に気づく。
ーここに置いてあったっけ?
いつもは電話の隣に置いてある、忘れられたようにほこりをかぶったメモ帳だった。
ーペラペラ、ペラ・・・
ページをめくる音がふっと止む。
ーやりたいこと
少し丸みを帯びた字で、書かれた文章は下に続く。
何行も書かれたその希望は、僕のことを考えているものも、自らのしたいことも含まれていた。
ーでも、自分からは言わなかったな・・・。
君のことだから、僕に少しだけ遠慮したんだろう。
「まったく・・・言ってくれれば良いのに」
誰もいない部屋でひとりごちる。
ー明日の予定は決まったな。
君のしたいこと、全部叶えることはできないけど、何も予定が無いよりはいいだろう。
口元に微笑みを浮かべ、君の笑った顔を思い浮かべながら、早く明日が来ることを願った。
朝日の温もり
ーチュン チュン チチッ
窓の外からスズメの鳴き声が聞こえる。
ーもう朝か〜・・・まだ眠い・・・。
ぼんやりと目覚めた頭で考えて、今日は休日だと気づく。
ーまだ寝ててもていいかな・・・。
二度寝をしようかとモゾモゾしているうちに、パタパタと駆けてくる足音が聞こえてきた。
「ドーン!!」
君の全体重が僕の体にかかる。
「ぐえっ」
「もう朝だよー。二度寝もいいけど、ほどほどにしてよ。今日はシーツを洗っちゃうんだから!」
君は身軽に僕の体からおりて、まだ開けてなかったカーテンの方に移動した。
ーシャアーーー
カーテンがなくなって入ってきた日の光の暖かさと君がいた場所に残る体温が心地よくて、
「ーーうん」
できるかどうかあやしい返事をして、僕は毛布を抱きしめて、もう一度、微睡の中に落ちていった。