やりたいこと
明日は、特に何か用事があるわけじゃない。
久しぶりの何もない日曜日になるだろう。
ーだけど、そしたら明日暇になるなぁ〜
ふと、目をやると机の上に置いてあるメモ帳に気づく。
ーここに置いてあったっけ?
いつもは電話の隣に置いてある、忘れられたようにほこりをかぶったメモ帳だった。
ーペラペラ、ペラ・・・
ページをめくる音がふっと止む。
ーやりたいこと
少し丸みを帯びた字で、書かれた文章は下に続く。
何行も書かれたその希望は、僕のことを考えているものも、自らのしたいことも含まれていた。
ーでも、自分からは言わなかったな・・・。
君のことだから、僕に少しだけ遠慮したんだろう。
「まったく・・・言ってくれれば良いのに」
誰もいない部屋でひとりごちる。
ー明日の予定は決まったな。
君のしたいこと、全部叶えることはできないけど、何も予定が無いよりはいいだろう。
口元に微笑みを浮かべ、君の笑った顔を思い浮かべながら、早く明日が来ることを願った。
6/10/2023, 1:09:39 PM