「私、彼氏が出来たの……」
彼女はそう言いながら僕の隣を歩く
「へぇ……誰なの?」
僕は痛む心を撫でながら問いかける
「隣のクラスの○○くんだよ……(笑)」
彼女は赤くなる頬を手で冷やす。
僕はショックを受けたが
「おめでとう。好きな人と付き合えて良かった。」
僕は彼女が昔から言い続けていた"好きな人"が
彼なんだと思った。
彼女は突然大きく笑いながら
「今日はエイプリルフールだよ?(笑)」
彼女は僕を指さしながらお腹を抑えて笑う。
僕は胸を撫で下ろしてから
「なんだ、そっか………(笑)」
僕はため息を着く。
すると彼女は僕の手を握って
「ねぇ、正直私の事好きでしょ?(笑)」
と、僕の心臓を貫く様な上目遣いで聞いてきた
「好きだよ。誰よりも好き。」
僕は足を止めて彼女を見つめる
彼女は顔を赤くして目を逸らしながら
「嘘じゃないよね……」
と、僕の胸に近付いてきた。
僕は彼女を抱き締めて
「嘘じゃない。君には嘘つかないって決めてる。」
彼女は「私も好き……」と僕に言ってくれた。
僕と彼女は手を繋ぎながら
暖かい春の風を感じつつ帰路に着いた。
「幸せになりたい。
幸せになりたかった………」
そう言って
彼女は瞳から溢れそうな涙を我慢し
空へと飛び立った
『ハッピーエンド』
私にも、あの物語の様な
ハッピーエンドが待ってますか?
10年後の私から届いた手紙
「自分へ
10年後、良い人生なんてものは無い。
光なんてなかったよ。
絶望しか無かった、
だから勇気をだして、私を救って。」
私は昇る日に手を振って
夜に飛び込んだ。
『バレンタイン』
彼女は綺麗なリボンが結んである、
可愛いピンク色の箱を取り出して
「はい!友チョコ!」
彼女は私に笑顔で渡してくれた。
私は笑顔で「ありがとう!」と答えた
彼女は他の友達にも渡しに行く。
私は友チョコなんて欲しくない。
私は友達でいたくない、
「いつか私に本命チョコをくれる日がくるのかな」
なんて淡い期待を
甘いチョコに溶かしながら喉を通した。
甘くて苦いこの恋はいつか実るのかな