冬至 乃明

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1/27/2024, 1:10:32 PM

昔の家の
広い庭に
小さな私は
小さな小さな青い花をつんで
ぴょこぴょこ動いて
笑っている

その花がいつの間にか
夏のホコリになって

車に閉じ込められて
やがて駅に流れてゆき
雑踏の中
スーツケースの毛玉になったりして
やがて日本海を北上し
空に舞って千切れて

大きくなった私のもとに
雪となってふわふわふってきてくれる

【優しさ】

1/27/2024, 12:25:26 AM

私はいつもいつもつまらないことをしている
夜遅くなっても
なんにも怖くない
夜遅くなっても
なんとも感じない
ただ無機質になる
時計の鼓動に触れて
温かな居間で
空っぽの機械を
何かで満たそうと
一生懸命に努力している


私は虚しくて虚しくて
首が氷のように冷たい

私は苦しくて悔しくて
外に飛び出して消えてしまいたい

本当の冬の夜に熔けて
小さな羽虫になってみたい

1/26/2024, 10:00:27 AM

不安の種はそこら辺に沢山あって
私はそれにいちいちつまずく

私の目から警戒心が覗き
私の口はひくひく動く
視界はなんだか狭まって
足どり重く内股になる

安心の種は目に見えなくて
花粉のように漂っている

私はそれを空気のように
すうすうすって
時々大きなくしゃみをする

私の鼻が良くなれば
少しは匂いもするのでしょうか

   ほのかに甘い香りが

1/23/2024, 10:54:07 AM

雪が降っていた
障子は
半分開け放たれている

星夜のなかを
雪はひかって飛んでくる

妙に気味の悪い
ひょうひょうと雪吹雪

いつもより大きな居間の時計
緑の針が3時指す

青く明るい闇吹雪
庭で騒ぐ竹のお囃子
心乱れるものの影

不気味な昼間のように人気なく
常夜に私は取り残されて
旧家連なる路地の中
黛の細道を
ただ雪のみが降るばかり
青くひかって降るばかり



【こんな夢をみた】

1/22/2024, 11:16:55 AM

月の出を迎えた夜です
静寂の夜です
ここにありますのは
新品のタイムマシーンです

あなた乗ります?
少し風が吹きますわ では良い旅を

  私の顔の上を一輪の風が戯れていった
  
見覚えのある 何も知らない街
黒く透明な人は金魚
ブルーのカバーがかかっている風景です

月が雲のなかをお酔いでいます
のんびりとのんびりとお酔いでいます

ここは朝です 
早朝です
すでに死んだ朝です

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