冬至 乃明

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1/21/2024, 11:30:38 AM

犀川のほとりで 誰かが
顔を覆うように手のひらをみつめていました


不意に立ち上がった彼の人は
月光を浴びて 細くて美しいのです

若緑の着物を着ています
首は青白くて折れそうです

手のひらを月に透かす彼の人は 
白い幸せの中 ばったり倒れそうです


          くずおれてしまった彼の人が
  それでもなお食い入るようにみつめなさる手は 
抑えようもなく小刻みに震えています

私はそっと近づいて顔をみたいのです
けれど月が睨んで 私がゆくのを拒むのです

心狂い躍る
特別な夜のことです





1/21/2024, 5:26:17 AM

海の底にはピアノが1台おります
そこで静かに奏でております
 
私の心が沈んでいれば
かすかにそれがきこえます

深い深い息のようです
低く唸ったメロディです

艷やかな鍵盤に 
そっと手を触れてはいけません

金のペダルをおしてはいけません

声を掛けるのもだめです
拍手もいりません

1/18/2024, 12:02:04 PM

てとてと
古い日記から 音が聴こえる
てとてと ころん
あの子の足音
てと…てと… ぽた
あたしの涙
てとんてとん しゃー
夕暮れの電車

私の綴った欠片の記憶
私が見て 私が見るだけ
ガラクタの宝物
すぐに捨ててしまおうか
そう考えるだけで
また、色濃く残る

私の瞼の裏に色濃く映り
私の頭をほんのり 縛る

1/15/2024, 11:13:59 AM

この世界は美しい
息を潜めて じっとしててごらん

意味がない と
あなたは思うでしょう
あの木々が揺れることと
私の腹が満たされるのに
一体なんの関係がありますか
教えてよ 
本当は意味なんてないんでしょ

不公平 と
あなたは思うでしょう
あの娘は母を失ったのに
私は母を世話して暮らしています
私は泣いていないから
あの娘より幸せなのでしょ

残酷 と
あなたは思うでしょう
人は数で大きさをはかる
でも殺された象が抱えた
苦しみの大きさは
人の数より大きいでしょ

儚い と
あなたは思うでしょう
あの人には夢があった
沢山の人が同じ夢をみた
けど一瞬だけだったでしょ

色んな世界を見てきたが
どれもチグハグ
何が真実か
どれがふさわしいか

太陽にまどろんで
寝そべってみたら
青空に何も無い
あ、やっぱりこの世界は …

1/14/2024, 10:48:23 AM

どうして 変な顔をしてるの
どうして 怖い冗談をいうの
どうして 泣いて本を読むの
どうして 苦しい勉強をするの
どうして 辛いものを食べるの
どうして あの時振り向いたの…?

全部あなたの魅力
すべてあなたの過去から
私に向かってダイレクトメッセージ

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