小さな命が家にやってきた
その日からみんなの関心は
小さな命のほうへ行ってしまった
お母さんもお父さんも
おばあちゃんもおじいちゃんも
みんなみんなそいつのことを
かわいいかわいいと褒めたたえた
小さくてかわいくて守ってあげないといけない
いきものがみんな好きなんだ
だから自分みたいに大きくなって
かわいさが失われたものには興味がないんだ
ゆりかごの中で眠る小さな命を見つめる
ふっくらとした頬とミルクのかおり
みんなの心をうばうじゃまものは
この手で刈り取らないといけない
お題「小さな命」
僕のお気に入り
それは何よりもかけがえのないもの
温かな体温
柔らかな肌
甘い香りの髪
鮮やかな赤
だけど僕がお気に入りを
愛でられるのはほんの一瞬
それはだんだんと冷たくなって
色は変わり、異臭を放ち、腐敗して
やがては朽ち果てる
僕は新しいお気に入りを
探しに旅へ出た
お題「お気に入り」
「この場所で何があったかご存知ですか?」
暗い山道の中、
車を走らせながらタクシーの運転手は聞いた。
「いいえ。何かあったんですか?」
「若い女性が殺されて、この辺りに捨てられたらしいですよ。怖いですね~あなたも美人だからくれぐれも気をつけてください」
そんな話を今しないでよ
不快感と恐怖で身体をこわばらせていると
運転手が途中で車を停めた。
「あの、どうしましたか?」
運転手はゆっくりと後ろを振り返ると
ニタリと笑った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ため息をこぼしながら運転手は
フロントガラスに付いた汚れを掃除していた。
この場所を通る時はいつも以上に汚れる。
大量の手形を拭いていると、
一つだけどうしても取れないものがあった。
それは何度試しても落ちなかった。
お題「この場所で」
突然ですが恋人ができました!
笑顔が素敵な美人で優しい女性です。
ある日彼女からこんなお願いをされました。
☺️「私の一族に会ってほしいな」
😧「一族?」
いきなり親戚の方々に紹介されるとは、
とても緊張しています。
彼女の故郷に着くと、
みなさん温かく出迎えてくれました。
- ̗̀ ようこそ ̖́-
( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ )
おめでとう( ͡ ͜ ͡ )
よかったね~( ͡ ͜ ͡ )
宴じゃ( ͡ ͜ ͡ )
☺️「みんなありがとう」
豪華で美味しい食事やお酒まで用意されて、
僕は身も心も酔いしれていました。
さて、そろそろ…( ͡ ͜ ͡ )
頃合いじゃ( ͡ ͜ ͡ )
儀式を始めるかの( ͡ ͜ ͡ )
😧「儀式?」
( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ )
( ͡ ͜ ͡ ) ?!😨🥰 💕︎ ( ͡ ͜ ͡ )
( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ ) ( ͡ ͜ ͡ )
いつの間にか一族のみんなに囲まれていました。
仲間が増えるね( ͡ ͜ ͡ )
めでたいね〜( ͡ ͜ ͡ )
宴じゃ( ͡ ͜ ͡ )
彼女にお面を渡されます。
それは笑顔のお面でした。
😨「これって大丈夫な奴だよね?」
🤭「うふふ」
お面を付けると、
僕の顔は( ͡ ͜ ͡ ) になっていました。
お題「スマイル」
どこにも書けないこと
それは奴の名前
奴のことを考えてはいけない
強く意識するほど奴の存在感は増す
人が多いところは特に危険だ
人混みの中に奴は紛れている
会話をしていても相手の瞳の中に奴がいるから
他人と目もあわせられない
医者からは一過性のものだと言われてたが
奴が現れてからもう随分と経つ
どこにもいないとあなたは言うけれど
今あなたと話している最中も奴は隣にいる
どこにいても奴は存在する
見えない追跡者からずっと追われ続けているようだ
奴が見えるようになると
普通の生活には戻れなくなる
奴から解放されるためには
永遠の眠りしかないのだろうか
みんなもどうか気をつけてほしい
お題「どこにも書けないこと」