嵐がこようとも
嵐は、いつ、やってるかも、しれない
安心して、いつも、くる、わけでは、ない
しかも、いつまでも、とどまっては、いない
必ず、去っていく
今さえ、ここが、踏ん張りどころ
去ってしまってから、考えよう、次、きた時のこと
そして、次、また、次
そうしていると
運が、良ければ、
嵐と、友達になれるかも
そうすると、楽しくなってくる
だって、友達が、来るんだから
お祭り
幼少期より、あまり、馴染みが、なく、今でも、好んで行く気にもならない
育った環境が、お祭りとの接点が、希薄であったのかもしれない
なんだか、損をしているのかもしれない
でも、オリンピックも、お祭りだ、
現地へ行かなくても、TV等で、結構、楽しめ、心熱くなったり、
やっぱり、お祭りは、楽しまなきゃ
神様が、舞い降りてきて、こう、言った
わたしを信じますか
いきなり言われても、でも、神様だから、信じます
えっ、いきなり、信ずるんだと神様は、やや、薄ら笑
い、しながら、こっちを見ている
まあ、こっちへ来なさい
信ずる者よ、良いものを授けよう、好きなものを取る
が、いい
神様、わたしには、何も、見えません
そうか、まだ、何も見えないのか
また、くるので、楽しみに待っていなさい
ホッホッホと言いながら、神様は、行ってしまわれた
誰かのためになるのなら
ずばり、働くこと
人が、動くこと
人が、重く、力をだすこと
それが、出来れば、
誰かのためになる
人は、知らないうちに
誰かのためになっている
特別に思わなくても
生きているだけで
充分
安心していい
鳥かご
幼い頃から、不思議に思っていた、母の実家へ行くと、いつも、ドキドキする所が、あった
母は、そこは、古くて、綺麗でないから、行っては、だめよ、と行く度に言っていた
今年から、小学校に入学するからと、挨拶に行った時、とうとう、その機会が、巡ってきた
ここは、明治になってから、建てられた、俗に言う洋館と呼ばれるもので、戦災等にも、あわずに今でも、綺麗な姿をしていると、子供心にも思っていた
祖父が、ニコニコした優しい顔で、おじいさまが、よく、どこそこの伯爵様や御令嬢が、よく、いらして、華やかなな、舞踏会が、行われていたと、よく聞かされたと、
いかにも、年代物と、思われる真鍮製の鍵で、鍵穴に入れようとした、瞬間、思わず、お母様が、駄目だと言っていたと口から、出てしまった
祖父は、やや、低い声で、もう、いいんだよと、その横顔は、寂しそうに見えた
ガチャリと言う音は、何故か、鳥肌が立ってしまった
吹き抜けの天井から、眩しい光が、斜めに差している
祖父のコツコツとした、革靴の音が、ホールに響く、大きなガラス窓の下まで行くと、花台のシーツをサーと取ると、キラキラとした金属製のものが、あった
それが、鳥かごだと知るのは、少し後になってからだ、ただ、美しい、そして、欲しいと、思った
そんな心を知ってかどうか、祖父は、また、ニコニコした優しい顔して、そら、どうぞ、と渡してくれた
私は、少々、戸惑った顔をしていると、後ろから、母のまあ、良い物を頂いたのねと明るい声で、救われた
大学生になり、ここに訪れた時、すっかり、様子が、変わり、大きなマンションが、無機質な佇まいを
あの時の宝物は、今では、我が家の娘の宝物になっている
朝から、爽やかな、音色が聴こえてくる毎日