この時期になると、北からオホーツク海気団、南から小笠原気団が押し寄せます。
日本列島上空で両者の力は拮抗。
押し合いへし合いしして停滞前線ができ、梅雨になるわけです。
この仕組みは我が家にも適用されます。
北には家庭に興味がないパパ、南には理想の家庭にこだわるママがいます。
両者は定期的に衝突。
一度ぶつかると我が家は長期間にわたり暗雲につつまれ、彼らの真下にいる私は、長引く雨に根腐れることになるのです。
梅雨の時期の素敵な過ごし方、募集してます。
医大で教授をつとめる父を持つ友人は、やっぱり医者になった。今は父と同じ大学病院に勤務している。
「お父さんいるし、七光的なものってあるの?」
って聞いたら
「ない。むしろおもねってると思われたくないのか、みんな必要以上に厳しい。
叱責時にいちいち親を引き合いに出されたり、娘だし期待してるって言われ続けたりするのも、もうんざり」って。
「光ってんのは私の背後だからね。光が闇を生み出すってほんとだよ、私自身はまっくら」
七光も、前からばかり照らしてくれるわけじゃない。
後ろでピカピカされてたら、そりゃかえって邪魔なときもあるよね…。
今は逆光状態の友人だけど、いつかきっと、背後の光なんて吹き飛ばすと思う。
今の自分の人生を変えたいとは思わない
それぞれのタイミングで、
できる範囲で精一杯考え選択してきた結果が今だと思うから
タイムマシンでやり直すなんて考えもしない
でも、伝えるべきことを伝えられなかったことはたくさんある
タイムマシンがあるなら
あの人にお礼を言いたい
あの人には謝罪したい
あの人にほんとうは傷ついていたと教えたい
あの人にはあなたがいて幸せだったと伝えたい
人生は大きく変わらなかったかもしれないけど、
大事なことを伝えられる自分でありたかったな
大事な人を亡くしたことがある
病院に運ばれたあとは眠ることなく枕元につめ、
息を引き取る瞬間までそばにいた
不思議なことに、そのときに周りと交わした言葉は、すべてくぐもった声で思い起こされる
病室の様子、医師の顔、握った手も、記憶の中で
すべてスクリーンを通したように青みがかっている
その人を失うことは、病院に着いた時点でもうわかっていた
その瞬間に、私の心は海の底に沈んでしまったのだろう
海の底からなすすべもなく最期のときを待っていた
いまもまだ、海面には出ていないと思う
でも少しずつ、浮上している
会いたくてしかたなかったその人は
ごく普通に話しかけてきた
何年ぶり?
最近どうしてたの?
全然変わってないね
あたりさわりなく続く「友達」らしい会話
最後に会った時にあんなに深刻だったのが嘘みたい
仕事忙しいだろうけど頑張れよ
またな
待ち合わせをしてるとかで、
小走りに去っていく後ろ姿を見送る
何事もなかったみたいだ
どうせ会うなら、私に興味があった頃の君に会いたかった
君には もう2度と会えないんだね