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11/29/2025, 8:00:54 AM

間抜けに眠る口に吸い込まれていった飛行機雲がゆっくりと薄青く溶けて消えてゆくのを見届けてから、あなたの毛布をかけ直す、ストーブを点ける。
『霜降る朝』

11/25/2025, 8:52:36 AM

見つけ出した時に楽しいからって忍ばせておいたものを思い出すたびに探してみてもいつも見つからないので、きっともう見つけ出してしまっているんだと思う、そう思いながら何度も夢に見るように、温かい心地だけが、またぼんやりと光る
『君が隠した鍵』

11/22/2025, 4:31:35 PM

夜を切り分けて引き連れた豊かなフレア星の瞬くような空気を纏って、泳いでゆく一瞥、過ぎ去ってから惑う霞むような匂いだけがあとに残っている
『紅の記憶』

11/17/2025, 11:15:25 PM

夢だ、と夢で目覚めて思うごとに、きしきし歩いて行くサンダルは湿った砂を踏みながら、暗く期待に満ちた曇りの空の合間を縫ってとつぜん飛び込んできた光芒に、その色とりどりの、ああ、夢だ、と。
『冬へ』

11/13/2025, 3:29:34 PM

豊かな弦楽器のように歌う、目が醒めるように歌うので、そこらの野禽も飛んでいくことのできないほどで、あつくて脆い波のような羽根を生来背負ったまま、唇は紅、白い静かな響きをした弓のようなその体躯の内に、何度火を灯しても消えていく蝋燭を、抱えているのを見る、深い息に振動するその羽毛の中にいながら、そうまでしてそれを、抱えてあなたは
『祈りの果て』

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