「忘れられない、いつまでも。」
作¦村村真琴
君と歩いた並木道にとまる蝉の鳴き声が五月蝿かった。でも今はそこの鳴き声が喚き声になって。蝉の声なんかには聞こえやしなかった。夏至の日差しが肌を刺激して肌にシミが増えて美しさなんて言葉は似合わなくなって行った。彼に振られてから私は日に日に弱っていった。痩せ細り、髪は白髪だらけ、彼を無くしただけでこんなにもなる自分が嫌だ。彼の事はきっと忘れられない、いつまでも。
「一年後」
作¦村村真琴
今日、一年後の自分に向けて手紙を書いた。元気ですかとか幸せですかとかそんな在り来たりな手紙じゃない、ただ一文、生きていますか?。僕はもう時期癌でこの世を去ってしまう。そんな僕の些細な願いと生きているかの一つの確認だ。どうか生きていますように。
この後この便箋が開けられることは無かったのかもしれない。
「初恋の日」
作¦村村真琴
「私の初恋の人はお父さんだ、手も大きくて力も強くて、平手打ちとかされたらひとたまりもないけど、たまにしか乱暴しないそんなお父さんが大好き。お父さんは優しいから一緒にお風呂に入って身体を洗ってくれるんだ」、と友達は嬉しそうでも悲しそうでもない普通の顔をして言った。「そのお父さん可笑しくない?」まだ一緒にお風呂入ってるの?なんて話じゃなくそう言葉が走った。「否定されるなんて思ってなかったな。」友達は悲しそうな顔をした。「否定はしてないと思うよ!ただ私は肯定もしないよ。」「それでいいよ、私将来お母さんが居ないからお父さんと結婚するし。」「そっか、後悔しないようにね。」そう言いこぼすと私達は次第に離れていき、これが最後の会話になった。
「明日世界が終わるなら」
作¦村村真琴
明日世界が終わるならか、そんな事考えた事も無いな。でも質問の中ではあるあるなのだろうか。今僕は「明日世界がおわるなら」と質問を強いられている。考えたくもない、今夜目をつぶればパニックになってしまいそうで、過呼吸を起こして倒れそうで、でももし隕石やらが落ちてきてこの星が滅亡するのなら僕は大好きな人と心中したい。同じ地獄に行って来世も一緒にいたい。そう過去の自分に聞かされて今冷たくなった愛人と家族を置いて台をけった。
「世界をパニックにさせた隕石ですが、進路を変え衝突は免れました。なお、このパニックにより自殺者、犯罪率等が急激に増加しております。」
「君と出逢って」
私は君と出逢って全てが楽しいな。この気持ちは言っても伝わらないと思うけど。「愛してるよ。」私の彼女は男性器もGカップ以上の胸を持つ、素敵なものだ。彼女は私の邪魔もしないし、嫌な事も言わない。だけど「愛してる」なんて軽い一言も言ってはくれない。でもいいのこの綺麗な彫刻でしか表せれない顔があるもの。「うふふ。」