鬱のときは訳もなくよく泣いた。
あの日もバラエティを見ながら静かに泣いていた。気づかれないよう涙を拭かずにただテレビの画面だけをじっと見ていた。偶然涙があなたの手に触れたときにあなたは泣かないで、とは言わずそれが通り過ぎるまで私の頬を拭いてくれたよね。それから悲しい話をするとき、暗い部屋にいるときはわたしの頬に手を置いて話をしてくれた。
あなたは自分をわがままな人だ、と卑下するけどそのわがままを自分以外である私のために向けてくれたときに、これこそが優しさなんだって思ったんだよ。
【泣かないで】
私の部屋は狭いから
寒くなったら実家に服を取りに行く
【冬のはじまり】
学生の頃や新卒の頃は何を差し置いても成し遂げなければならないことがあった。今でもその気持ちは無くなってないはずだけどあの頃に比べて言い訳がおおくなった。
風化していくことが怖い。
【終わらせないで】
共感が得られない愛情は狂気だ。
私が自分の気持ちを何気なく話したときに見せた驚きと困惑の混じったような顔を見て、悟った。
みんなと同じように何かを大切にしたい、支えたい、信じたい、と思う気持ちには変わらないのにその何かが少し違うのだ。今更何かに変わるような想いじゃないから、誰もいないところで私は私の愛情を静かに燃やし続け続けている。
【愛情】
さっきからゲームセンターの騒音が感じない。
この集中力が勉強に向けることができていたら人生ちょっ
とは変わってたのかなーって今考えることじゃない!今は
一手でも早くこの景品を落とすんだ。100円をいれてクレー
ンを操作するボタンが光る。クレーンに触れた景品が揺
れ、またもう少しで取れそうなところに留まる。あと少し
なのに。体温が上がっているな、って思いながら額の汗を
拭う。次で取れる、次で取れるから、、
ボタンが光り、私はクレーンの動きに集中している。
【微熱】