鬱のときは訳もなくよく泣いた。
あの日もバラエティを見ながら静かに泣いていた。気づかれないよう涙を拭かずにただテレビの画面だけをじっと見ていた。偶然涙があなたの手に触れたときにあなたは泣かないで、とは言わずそれが通り過ぎるまで私の頬を拭いてくれたよね。それから悲しい話をするとき、暗い部屋にいるときはわたしの頬に手を置いて話をしてくれた。
あなたは自分をわがままな人だ、と卑下するけどそのわがままを自分以外である私のために向けてくれたときに、これこそが優しさなんだって思ったんだよ。
【泣かないで】
11/30/2023, 3:13:21 PM