「星にお願いごとを3回唱えると叶うんだよ!」
確か貴女はそう言っていましたね。何の確証も無いってのに。
というか、そもそもそれは星というより流れ星──。
……いえ、こういうのは無粋だと言っていましたっけ。
信じる思いが、心が大切だと。
では、私も、今は神頼みすらしたくなる程なので、願いましょうか。
「──貴女が、貴女の友達とまた会えますように」
お題*星に願って
またこの朝を迎えた。
ずっと変わらない、単調な目覚ましを止め、いつもの挨拶を繰り返し、人間に押され、空気に押され、気圧に押され、言葉に押され。そして時間を食いつぶす。
そんな毎日に辟易した僕は、ある日通販で、気になっていた本を買った。
かなり分厚い本だから、すぐには読み終わらないだろう。
どうかこの本を読み終わる前に、僕の人生が終わりませんように。
お題*終わらない物語
「はいっ、どーぞ!」
ある日、私は愛おしきあいつにプレゼントを渡した。あいつはすごく驚いていたけれど、すっごく嬉しそうに喜んでくれた。私は、とても幸せな気持ちでいっぱいに……。
──なったら良かったんだけど。
あの日、あいつは忽然と姿を消した。
自称あいつの弟子である私の仲間が誘ってくれたものだから、私はそいつとともに、あいつを探しに行くことにした。
大丈夫、そう信じて行くしかない。
……絶対また、あいつと一緒に笑えるように。
お題*あなたへの贈り物
──大丈夫、なんとかなるさ。
貴方はいつも、そう言って歩いて行ってしまう。どんなに暗闇が目の前に広がっていようとも、どんなに危険な茨の道だとしても、貴方はあっという間に歩いて行く。
やがて、いつもの笑顔で、また帰ってくるのだ。
……分からない。どうしてそんなに進もうとできる?
貴方が歩いて行く先は、きっと、いや確実に地獄だ。貴方はたくさん傷ついて、傷つけて、血を流して帰ってくる。正直、少し怖い。でも……。
だからこそ、輝かしく見えたのだろう。
貴方は私の憧れだ。私の理想だ。目標だ。
今もずっと貴方の後を、いつか隣を歩けるその日まで。
お題 * 明日に向かって歩く、でも