──お揃いのものを買う。
恋人、友達同士なら、一度はやったことがあるかもしれないこと。
私は、大好きな貴方と一緒にショッピングに出かけたとき、貴方がそれを言い出したっけ。
お揃いのそれが机にあるのを想像して、凄く笑顔になったのを覚えている。
今も机に置いてある、2つの小さなマグカップ。
彼の大きな手にちょこんとそれが握られているのが、とても可愛かったな。
ホットミルクが大好きで、飲む度に口の周りが真っ白になってて、拭いてあげてたな。
貴方に会いたい。
会いたい。
……駄目なのに。
貴方の呪いの言葉に、今も生きている。
貴方の後を追っては、きっと貴方は悲しむから。
さぁ、座って。お茶にしましょ。
お題*マグカップ
──太陽。
僕の名前は、そこからつけられたらしい。最近じゃきっとよくある名前だろうけど、聞くだけでなんか心が暖かくなるような、照らされるような……陽向にいるような、そんな感じがして僕は好きだ。
友達は、夜が好きだと言う。
暗くって、静かで落ち着くんだって。僕も確かになぁと思った。
でも僕は、それでも朝が好きだと言いたい。
日が昇り、優しい光が世界に挨拶してくれる、そんな静かで優しい朝が好き。吸い込まれそうな藍色が、淡く、鮮明な橙色に染まって、混ざり合って澄んだ青色が顔を覗かせる……。
今日も良い一日になりそうだ。
お題*Sunrise
ただ走って。走って。
逃げていた。逃げてしまった。
そして、道に倒れ込んだ私を拾ってくれたのがあの人。
すっごく優しくて、こんな人、ほんとにいるんだって驚いたのをよく覚えている。
そんな素敵な人を。
私を我が子のように可愛がってくれたあの人を。
……私は、きっと裏切ってしまったのだろう。
誰かだったそれらがあちこちに転がってる廊下で横たわったまま動かない、たったひとりの友だち。
連れて行かれたあの人。
私が幸せに生きていけるように、必死に手を尽くしてくれたとある人。
あの人も
あの人も
手を繋いでくれていた
分かってます
悪いのは私です。
お題*手を繋いで
苦しい。
こんなものがあるから苦しいのだ。だから捨ててしまおう……と思ったが、どうやら、ないはないで苦しいらしい。文字通り笑えない話だ。
どっちにしろ苦しいなら、触れることのできる方も捨ててしまおうか?……だめだ。それも、捨てるまでが苦しい。
──そういえば、苦しみは、ずっと己の隣にいた。小さな時から、ずーっと、僕の隣に、そばにいた。
今もきっとここにいる。
捨てたはずの感情であり、捨てようとした心臓をここに留めた苦しみ。
今もそばで座ってる。僕に生きろと、笑えと言っている。
……ああ、とても苦しい。なんてやつだ。
笑えてくるな。
お題*ココロ
「星にお願いごとを3回唱えると叶うんだよ!」
確か貴女はそう言っていましたね。何の確証も無いってのに。
というか、そもそもそれは星というより流れ星──。
……いえ、こういうのは無粋だと言っていましたっけ。
信じる思いが、心が大切だと。
では、私も、今は神頼みすらしたくなる程なので、願いましょうか。
「──貴女が、貴女の友達とまた会えますように」
お題*星に願って