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12/24/2024, 4:45:43 PM

サンタをいつまで信じていたか、そんな話題は大人と子供の間の高校生活で1番耳にした。
幸せだった私はその存在を中学生まで信じて疑わなかったし、知ってしまった理由も街の見知らぬ若者がその正体を語っていたからだ。
今思えば周りに恵まれていた。
周りの友達とはいつもクリスマスに貰うおもちゃの話で尽きなかったし、いつまでも疑わない私を周りの人達はみんな優しく守ってくれた。
その事実を知った時、信じていた夢が壊れた日。
それでも私は一層そのサンタが、クリスマスが好きだと思った。
愛を感じる日。信じる私の夢を守ってくれていた人達の優しさを思い返す日。
1人ぼっちの家で今、サンタは来ないけどクリスマスイブは優しさに包まれて眠る。

12/14/2024, 3:16:40 PM

私の中にはいくつも幸せの引き出しがある。
休みの度に家族で訪れた想い出。
夏は花火とBBQ。幼馴染達とハロウィンパーティ。
誕生日はケーキとプレゼントに心惹かれながら聞くあの歌。大好きな人が歌ってくれるあの声が大好きだ。
全部自分の中で大事に整理してある。
冬は特に想い出を取り出す事が多い。
私達子供が喜ぶからと、この時期家に灯るキラキラが大好きだった。
それが我が家のサンタさんのおかげだと知ったのはもっと先。
イルミネーションはただの光だという意見も最もだ。
それでも、ただの光は毎年私の思い出の引き出しをそっと開けてくれる。

12/12/2024, 5:03:09 PM

好きな人がいて、いつもその人を考えている。
叶わない恋でも、その人を考えてる時間にだけは一つになれている気がする。
話をしても、身体を重ねても決して一つの存在にはなれないけど私たちは違う。
私の心の中に、頭の中に入り込んでいるから。
恋に落ちた瞬間は私と同じだと感じた時。
幸せな瞬間は、私の中で貴方と一つになっている時。
一つになる瞬間、私たちはいつも紙を挟んで時代を越える。
貴方の心を覗く瞬間と、私の頭に貴方が入ってくる瞬間。
指に触れる薄く乾いた感触。
逢瀬はいつも物語の中で。

『心と心』

12/11/2024, 4:53:32 PM

貴方のそういう所。
そう思う事は正直少なくない。
例えばいつものファミレスでいつものぶどうジュースを飲む所。
例えばデートはいつも王道な所。
例えば大丈夫?って質問にいつも大丈夫って答える所。
あげればキリがないけど、それでも私は貴方を好きだと思う。
貴方は逆にどう思ってるんだろう。
私が期間限定に弱い事。
いつも貴方が作ってくれるロマンチックを台無しにしてしまう所。
思わず愚痴が出てしまう癖の事。
本当は多分同じ。でもまだ好きでいたいから。
『何でもないフリ』

10/4/2024, 5:58:36 PM

彼は職場の後輩だった。
お互いただそれだけのはずで、私には相手がいた。
過去形で語ると次第に実感が湧いてきて、多分彼のことが相当好きだったんだななんて他人行儀な感想が胸を縛る。
まだ付き合っていた頃、後輩は私の恋愛事情を聞いて親身に相談に乗ってくれた。
だから彼と仲良くなるのは必然だったし、お互いが尊重し合える関係だったと思う。
そんな面倒見のいい後輩との仲が原因で、皮肉にも幸せを落としてしまったのは1ヶ月前。
事の詳細を話す私に向けて後輩は眉を下げて笑った。
不覚にもその顔に自分が期待している事がわかって、自分が少し怖くなった。
私の愛しの元恋人はこの未来が見えていたのだろうか。差し出された手を取ってしまった私は、きっともう。

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