MerryAnn

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1/9/2025, 9:59:47 AM

もしもし
……
いいえ、ごめんなさい。多分人違いです
……

ガチャリ

もう姉は死んだのに、彼女の亡霊は来ないのに、望んでもいなかったクズばかり来る。
いつになれば彼女は自由になれるのか?

12/7/2024, 3:13:01 PM

暗い教室の隅で何が起こっているかなんて誰も知らないだろう。知らない方がいい。クラスの天使の化けの皮は、剥がされるべきじゃ無い。

12/3/2024, 2:48:29 PM

1
「挨拶って大事だと思うの」

「ほら、言葉には力が宿るじゃ無い?」

「だから考えちゃうのよね」

「もしあの日、またねって」

「また会う約束をする言葉で別れていたら」

「だってあなた約束は守るから」

「でももう会えないし…さよなら」

2

「そりゃそうだよ。人生の基本」

「よく言われるよね。言霊だっけ」

「あんたはいつも何かしら考えてんじゃん」

「…」

「…」

「…アタシの信条だし、まあ」

「え、待って、なんで」

3
何も学んで無いんだね。再会を誓えばよかったのに。


さよならは言わないで
(副題:希望を壊したのは)

12/2/2024, 1:30:12 PM

 クラスの佐々木君はいわゆる「光」の人だ。いつも明るく、本人も周りも笑顔が絶えない。礼儀が欠けたことも無く、まさに品行方正な人である。対照的に、花田さんは「闇」の人だ。重い前髪とマスクに顔が隠れて正直不気味だ。素行が悪いわけではないが、話しかけても愛想が悪い。それなのにチラチラ「光」の方を盗み見ているのだから何がしたいのか分からない。私はというと、どちらにかの勢力に永住することがないシーソーのような、隠さずいえば日和見をしている。
 そんな私を「光」が頼りに来たなんて誰が考えつくのだろう!最初は悪い冗談かとも思ったが、彼は人を踏み躙ってとる笑いになんぞには興味が無いだろうと思い直した。

「それで、どうしたの佐々木君。人が居ないからって裏庭の茂みは寒いよ」
「ごめんね。でも実はどうしても他の人には聞かせられないんだ」
「ふーん…参考までに、なんで?」
「それは、僕が、恥ずかしいから」

 ああ、なるほど。恋愛相談か。どこにも属さない私の最も良い活用方法は、誰か一人くらいには知っていてほしいが多数に知られるのは嫌な秘密を明かす相手役だ。全く、役得だなぁ!

「あーね。察したよ佐々木君。誰?」
「えっ!本当に分かっちゃったんだ。えっと、花田さん、なんだけど」
「……はいはいなるほどぉ」
「この前の体育祭で花田さんがマスク外して、前髪をかき上げているところに遭遇して…一目惚れしたんだ」
「運命的じゃん。背中押してあげる」
「ありがとう」

 翌日から私は早速花田さんに話しかけた。

「花田さん、おはよう」
「…おはようございます」
「早速でごめんだけど、花田さんって恋バナに興味あったりしない?」
「…ない、訳では、無いです」
「あははー、マジで急でごめんね。でもどうしても誰かに話しちゃいたくてさー」
「いいでしょう。あなたの話を聞きます。その代わり私の話も聞いてください。もちろん全て秘密にする約束で」

好都合だ。彼女の秘める思いによって身の振り方を考えよう。
そこから私は「光」なら誰でも知ってる恋バナを少し脚色しながら彼女を楽しませた。そしてついに、花田さんが口を開く番になった。

「…笑わないでくださいね?」
「大丈夫だよ花田!そんなことをするほどクズじゃ無いんだから」
「ふふ、ええ!そうですね」
「それでそれで?」
「私実は…佐々木君が好きなんです」

 一瞬花田が何を言っているのか、嘘をついているのかと考えてしまい手が動いた。私は私達を隔てる様にあった机に飛び乗り、右手で前髪をかき上げ左手でマスクを剥ぎ取った。

「……綺麗」

真っ赤に染まった頬と耳、驚きで固まる大きな瞳、ひゅっと息を吸い込む愛らしい唇。これは誰でも惚れるだろう。

 私はそのあとすぐに謝って、里穂とはなんだかんだ親友になるまでになった。もう一つの懸念であった、佐々木君が里穂の容姿に惚れたんじゃ無いかという疑念は数ヶ月かけて溶けた。きっかけはなんであれ、彼は里穂の内面までしっかり惚れている。

 私はこの様にして光と闇の青春に挟まれたのであった。

光と闇の狭間で
(副題:自分のじゃ無い恋模様)

12/2/2024, 7:33:13 AM

 私のクラスにはアンナという少女がいた。可愛らしい子だった。遠くから眺めているだけで満足できるその浮世離れした美貌の理由、それはロシア人の祖父から受け継いだ血にあるようだ。
 異国の血が混ざっている、それだけで幼かった私たちの興味はそそられた。みんながアンナに話しかけた。みんながアンナにお菓子をあげた。みんな、アンナに気に入られたかった。いつのまにかアンナはクラスの女王だった。
 途中からそんなアンナが気に入らない女子グループもできた。だが、アンナはそれを許さなかった。アンナはそのグループに入り込んで女子達の好感度を上げた。結局一人になったリーダー格の女子はクラスの白い目に耐えられず完全に解体されてしまった。
 アンナは陰気臭いからとクラスから省かれていた私を救い出してくれた。私と仲良くして、一緒に写真を撮った。私に一番近い存在になった。
 私はもうアンナと一心同体なのだ!私は人生で一番輝きを放っていた!もう怖いものなんてない!
 アンナが裏切った。アンナは両親が死んだからロシアに帰ると言った。酷い!アンナは何も分かってない!アンナと完璧な一体になるために頑張ったのに!アンナのために邪魔な奴らを埋めてあげたのに!
 仕方がなかったんです。本来一つになるべきだったんですから。海を越えたどこかへ行くなんて、これ以上距離が開くなんて、だってあり得ないじゃないですか。だから頂きます、したんです。おいしくはなかったです。でももうこれ以上離れなくていいんです。うれしい

距離
(副題:逃げないよね!アンナ)

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