趣味で小説を書く者として、言葉は大切にしているし、わりとなんでも言葉で表現しようとする
だから、心の中にはあるけど、口に出せないという感じかな
心の中では、自分の気持ちも、好き嫌いもはっきりしている
でも、相手には伝えられないし、伝えようとも思わない
それは多分、本当に伝えたいと思う相手に出会っていないから、かもね
窓の外の山桜は、早くも盛りを過ぎていて、あっという間に葉桜になってしまうのだろう
地面に散った花びらは、白に近いものから濃いめのピンクまで様々で、枝に咲いているときよりも色がよくわかる
咲き始めの頃、しきりに花の蜜を吸いに来ていたヒヨドリは、ここ数日は見かけない
新しい花を求めて行ってしまったのか
誰よりも、ずっと
さて、その先に続く言葉はなんだろう
「誰よりも」か「ずっと」のどちらかひとつならまだしも、両方はむずかしい
ずっと続けてきたことも、ずっとがんばってきたことも、ずっと我慢していることもあるけれど、誰よりもかどうかはわからないよ
誰よりも、ずっと愛している人も、ずっと愛されている人もいないしね
一応プロの作家になれたらなっていう夢はあるけど、それが叶わなくても、これからも、ずっと小説は書いていく
誰かに読んでもらって、面白いと思ってもらえたらうれしいけど、この頃は、自分だけのために書くのもいいなって思っている
誰かが読む前提だと、どうしてもエンタメ性を意識しなくちゃいけないけど、そういうことは考えず、ただ自分が書きたくて読みたいものを書くのも楽しいんだな
つまり、そういう小説を、まさに今書いているところ
窓の外には木立があって、天気がいい日は、その間から、はるか彼方の山のむこうに沈む夕日が見える
夕日を眺めながら、今日も一日が終わるなあ、今日も寂しい一日だったなあと思う
いつか幸せな気持ちで夕日を眺めたいもんだ
そんな日は来るんだろうか…