ミモザ

Open App
7/17/2024, 10:38:27 AM

夏の、暑い日だった

何も無い田舎の

誰もいない河川敷

夏期講習の帰り道、何故だか寄りたくなった

このまま自分は

ここに居続けるのか

勉強も頑張ってはいるが

自分が何をしたいのか、分からない

川が日差しを浴びてキラキラ光って、

セミは穏やかに鳴いている

ズボンの裾をまくって、川に入る

懐かし、川に入るのなんて何年ぶりだ

水の冷たさが心を落ち着かせてくれる

その時

楽しそうなことしてるじゃん、

と言い少女がやってきた

同じ学校の制服だ、顔は見たことないが...

私も混ぜてっ!と彼女は靴をポイっとほおり投げ

勢いよく水に入る

その勢いで自分の制服はビショビショに濡れてしまった

あははっと彼女は豪快に口をあけて笑う

何だか、全てどうでもいい

そう思えてしまった

その後しばらくはしゃいで、

帰り道に駄菓子屋さんでラムネを飲んだ

人生で、いちばん美味しいラムネだった。

...

...夢か、

暑さで目が覚める

日は傾きはじめていて、日差しがキラキラとまぶしい

わずかな風が風鈴をふるわせ、セミの音と調和する

何だか、懐かしい記憶だったな

今思えばあれが青春ってやつか、

もう戻ることはない、「遠い日の記憶」

縁側に腰をかけ、ぼーっと庭を眺める

喉が渇いたな、何か飲むか

そう思い、立ち上がろうとしたら

頬にひやっと何かが当たった

冷たっ!と当てられた方向を見ると、

変わらない、豪快な口を開けて笑った彼女がいた

「...ばあさん、冷たいって」

さ、飲みましょっとずいっと渡されたのは

あの日と同じラムネだった

キンキンに冷えたラムネが、喉を伝って

全身に冷たさを届ける

あぁ、何年たっても美味しい、

変わらない味。

あの日の青春がよみがえる。

彼女と飲むラムネは、格別に美味しいのだ。
























6/17/2024, 3:01:40 PM

「未来」...ねぇ、

あ〜なんかやったな、二分の一成人式だっけ。

あの時本当に未来の自分を想像できなくて、

ちゃんとした大人になる、

とかふわっとしたこと言ったような気がする...

安心しな、過去の私。

今の私も未来想像できないから。

大抵は何とかなるよ

5/12/2024, 3:02:39 PM

ずいっ、と目の前にお酒のボトルが掲げられる。

どしたのこれ、と聞くと

今日母の日じゃん、と。

そうか今日だったか、と思いだす。

...この子が小さい頃、

手づくりの肩たたき券を貰ったなぁ

それがもう、お酒を買えるような年齢になったのだ

じんわりと目頭が熱くなる

いつまで「子供のままで」いると思ってたのだろう

この子はもう、すっかり大人なのだ

5/1/2024, 1:25:01 PM

クローゼットを開ける瞬間

いつもワクワクする。

目の前にズラっと

色とりどりなお洋服が並んでいるから。

今日は天気が良いから

このイエローのワンピースかな。

今日は気持ちを切り替えたいから

シックなグレーを中心に。

悩んでいる時が楽しくてしょうがない。

「カラフル」なお洋服は、

今日の私の心を表すアイテム。





4/2/2024, 4:13:40 PM

年々、分からなくなってきた

わたしが好きなものって、

譲れないものって、

本当に「大切なもの」って、

なんだっけ

日々流されてばかりで

自分を省みる時間が無くなって

すっかり分からなくなってしまった

Next