3/31/2024, 2:43:27 AM
とある1日。
「………………」
「………………」
何気ないふりをする2人。
会話すら出てこない。
なんだかぎこちないなあ、と焦るが、気づく。
20年間と少し。
いつも通りだった。
「これからこの2人はどちらを選ぶのだろうか。いつも通りだと安心するのか、それとも、これではいけないと改めて焦るのか」
キューピットは興味深そうに2人を見ていた。
「選択肢によっては、特別に、この矢を君たちに使ってもいいんだけどな」
春の風は、彼の長くて、しなやかな髪をなびかせ、桃色の花びらをつけて行った。
キューピットは、ふふふっと笑った。
「何気ないふり」
3/26/2024, 4:33:18 AM
世の中には(少なくとも私のまわりには)
好きじゃないのにが溢れている
「好きじゃないのに」
3/20/2024, 12:37:17 PM
あ〜あ、夢が醒めちゃった
できれば夢が醒めるずっと前に
これは夢だって気づきたかったな
そしたらもっと自由に生きたのにな
「夢が醒める前に」
3/15/2024, 11:09:24 AM
その女の口から星が溢れ始めた
大小の星の欠片を巻き込みながら溢れる星が止まることはなかった
女は腹からどんどんしぼんでいった
内包されているはずの内臓はない
女はどんどんしぼんでいった
枯れ果てた
なけなしの誇りと
なけなしの軋んだ自己愛と
耐えていくための力が
星と共に消えていった
女の体には少し前から内臓や体液などなかった
まるでガラクタのような星を抱え
かろうじて生きていた
カサカサだった傷つけられた心
届かない言葉
無意味な
ああ、星が溢れる
星が
「星が溢れる」
3/12/2024, 12:11:00 PM
もっと知りたいがあふれる時
世界は明るくて、くすぐったくて
まるで
背中に羽が生えてきたような体の軽やかさに
うっとりとしてしまう
知らないことがあるのがもったいなくて
つい駆け出しの冒険者になってしまうんだ
「もっと知りたい」