まるで修行中

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その女の口から星が溢れ始めた
大小の星の欠片を巻き込みながら溢れる星が止まることはなかった
女は腹からどんどんしぼんでいった
内包されているはずの内臓はない
女はどんどんしぼんでいった
枯れ果てた

なけなしの誇りと
なけなしの軋んだ自己愛と
耐えていくための力が
星と共に消えていった
女の体には少し前から内臓や体液などなかった
まるでガラクタのような星を抱え
かろうじて生きていた
カサカサだった傷つけられた心
届かない言葉
無意味な

ああ、星が溢れる
星が





「星が溢れる」

3/15/2024, 11:09:24 AM