2/25/2024, 11:05:22 PM
ふと物憂げな空だと思った
ああ空も同じだ、と思った
物憂げに見上げた空は同じように物憂げそうだと
ふと見渡せた部分だけ
自分の味方のように見えた
見えない部分は見えていないので
そこがどうなのかわからない
ほんの一部分
同じだと思った
ただそれだけ
「物憂げな空」
2/19/2024, 12:29:08 PM
秋の枯葉はまだ初々しく
紅味をさした頬のよう
酒の匂いすら知らないような
初恋を甘く拗らす若者のよう
冬の枯葉は音すらも
枯れて聞こえるに違いない
踏んでもきっと痛いだけ
かわいそうだと思うから
試しに踏んでみようと思わない
勝手な話を決めつけて
誰が枯葉を知るのだろう
枯葉と私は違うのに勝手に涙を流すのだ
その堂々たる枯葉と樹木を愚弄するかのように
そうして彼らの懐に埋もり丸まって
慰められたいと乞うている
「枯葉」
2/14/2024, 12:15:02 AM
待っててと
誰にかはわからないけれど、誰かにそうつぶやく
待ってて、という言葉を放つ時の安心感と高揚感
私だけが内包する世界の中だけで響かせる言葉が
細胞のほんの少しの隙間から時々するりと飛び出し
この世の空気に紛れ込みそっと消える
とろけるくらい甘いこの言葉は私をますます孤独にさせる
孤独の開放感と快感を滲ませて漂う
この浮遊感に酔ってしまいそうだ
「待ってて」
2/12/2024, 11:38:02 PM
伝えたいことはいつも伝えられない
「伝えたい」
2/11/2024, 3:27:28 PM
青く流れる風を初めて見た
それは一瞬の風
すらりと頬を撫でて過ぎ去った
淡い思い出
この場所で私は生まれ生きて死ぬ
ひと時の戯れ
風のように風のように
通り過ぎるように
その時に落とした鱗粉のような私の思い出は
どこかにたどり着くのだろうか
涙のように地面へ染み込むのだろうか
「この場所で」