まるで修行中

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8/22/2023, 1:33:33 PM

裏返し着たTシャツ
すぐ、気がついた
伝えてもいいか迷う距離
もどかしい




「裏返し」

8/17/2023, 2:44:45 PM

いつまでも捨てられないもの
それは
自分
大丈夫
まだ
大丈夫




「いつまでも捨てられないもの」

8/16/2023, 12:34:51 AM

月の光に照らされた星々が映る
行ったり来たりを繰り返す度
落ちた星々は爪痕のように線を描き
海は静かに受け入れる
荒々しく
時に大人しく
打ち付ける度に白く泡立ち
夜の闇に己の姿を浮かばせる
微かな匂い、静寂の音
海は私を連れて行く
少しずつ少しずつ
私を真空状態にする




「夜の海」

8/10/2023, 3:19:32 PM

「あと1つ、それで終わりです」
男は振り返って確認した。
真っ白な地面には、小さな点がいくつも打ってあった。
「思ったよりも小さな点ですね」
そう言われて何だか恥ずかしくなった。
「ははっ」と小さく苦笑いをし、ゆったりと後ろ頭を数回撫でつけた。
「でも、こんなに同じ大きさばかりの点を打ち続けた人は少ないんですよ。ある意味、匠の技です」
声は感心しているようだった。
「はははっ」
さらに照れくさい、思わず足元を見た。
「どうします? もう最後の1点、打ってしまいますか? もう少し休んでからでも構いませんよ」
「そうだな…もう終わらせようかな」
男は口を結び直し、鼻からひと筋の息を吐いた。
息は、すうっと鼻の下に向かった。長年の食いしばりのせいで出っ歯気味になった、やや上向きな口元を滑ると、上昇気流になってどこかに紛れた。
それから右足を上げ、踵をとすん、とおろした。
最後の点を打った。
何の感想も浮かばない。
「お疲れ様。終わったよ」
「お疲れ様でした。ぜひ空の上から見ていてください。うんと高いところからですよ」
男は、しゅるしゅると音を立てながら消えた。
声は手を振るのをやめ、男が付けた黒い点を眺めて目を輝かせた。
「今度はどんな花が咲くのだろうか。楽しみだな。いろんな花が咲くこの世界に、また新たな花が咲く。その花に一体どれだけの人が気づくのか…。気づいてくれるといいな」
声の右手から、柔らかな光が降り注いだ。
黒い種はキラキラと笑った。






「終点」

7/27/2023, 2:11:16 AM


窓に映ったあなたは誰かになるのでしょうか
雨がつたう窓辺のあなたは
まるで泣いているみたい
ふとあなたが誰かに見える時
そうっと甘えて
ぐうっと甘えて
大丈夫だよ





「誰かのためになるならば」

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