まるで修行中

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6/30/2023, 11:56:21 AM

赤い糸は
まだ繋がっているという未練
本当にあると思い夢を見る
側の寝息を感じつつ
遠い遠くの夢を見る
いつかの幻の夢を見る



「赤い糸」

6/29/2023, 10:44:31 AM

「入道雲の後ろが見てみたい」
僕は突然そう思った。
今すぐ旅に出よう。
冒険の旅だ。
幸いポケットの中には、今日のおやつののチョコレートがある。
飲み物は何とかなるだろう。
「まずはどうやって近づくか、だな」
走っていけば近づけるだろうか。
間に合うだろうか。
消える前に、形が変わってしまう前に。
「ようし行くぞ」
太陽は眩しかったけど、僕は雲に向かって、空の上の方に向かって思いっきり走った。
なぜかわからないけど、僕は空を走れたんだ!
最初はうまく走れなかったけど、だんだんと慣れてきて、ぐいぐい走れた。
地面とはもちろん違う、水とも違う、自転車を漕いでいるのとも違う不思議な感じ。
だけど、ちゃんと空気の地面(これ以上の例えはうかばないよ)を踏み蹴って走ったんだよ!
楽しかった!
どんどん走って、入道雲に会いに行く。
その時は、とても自由な気持ちだったんだ。

その時の僕は気づかなかったけど、側で見守ってくれていたんだ。
小さな妖精が、その時からずっと僕を見守っていたんだって。
どうして?って聞いてみたんだ。
そうしたら、小さい声でそうっと教えてくれた。
僕の耳より小さな妖精の声が、耳の入口から聞こえるものだから、くすぐったくて、思わず体がよじれてしまった。
「入道雲から頼まれたのです」
「どうして?」
「自分の裏側が見たいと思ってくれたあなたが、可愛らしくて、応援したくなったんですって」
妖精は、ふふふっと笑った。
僕も照れくさくなって、うふふって笑っちゃった。
「結局行けなかったけど、ね」
間に合わなかった。
入道雲は、あと少しっていう所で消えてしまったんだ。
悔しかった。
汗いっぱいの体が、いっぺんにもっと熱くなった。
ポケットの中のチョコレートは、もう溶けていた。
地面に降りた時には、地面の硬さにびっくりしたんだ。
まるで久しぶりに地上に降りたみたい。
そう、久しぶりに…。

ハッと気付いた。
僕は今、蜘蛛の巣の中にいる。
捕まってしまった。
僕は蝶々。
いつの間にか眠っていたらしい。
ああ、もう一度空を、もう一度…。





「入道雲」

6/27/2023, 12:31:13 PM

ここではないどこかに行きたい
ここではないどこかで生きたい
私のままで
記憶を持ったまま
やり直すという甘い蜜を
たらふく浴びて
飲み干し
私は羽ばたいてみたいのだ
この生の終わりに近いこの時に
まだ高く飛んでみたいのだ
輝いてみたいのだ





「ここではないどこか」

6/25/2023, 12:48:25 AM

1年後の1年後は1年後の1年前

6/24/2023, 2:19:17 AM

町が立体的だった
その辺にあるブロック塀も小さな石も
子供の頃は
空気さえも立体的だった
下を見る時には膝を抱えて
しゃがんで見つめた
今では
落ちた視力を眼鏡でごまかし
せいぜい腰を曲げて目を凝らすのだ
レンズに入り込んだ優しい風と
太陽の眩しさに目をこすりながら
よく見ると子供の頃と変わらない瞳で





「子供の頃は」

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