まるで修行中

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6/22/2023, 11:11:04 PM

いつものように気怠い朝だった。
温められた湿度は、洋服からはみ出している体の一部をまんべんなく包み込んでいく。
顔も例外ではなく、たった一晩の汗を、一瞬で生ぬるい分厚い膜に変えた。
「だるい」
「ぬるい」
一歩を歩くたびに自然と愚痴がこぼれた。
「だるい」
「ぬるい」
「だ…」
それ以上の愚痴が浮かばなかった。
「花占いかよ」
男はくすりと笑った。
いつものように朝支度を始めた。





「日常」

6/22/2023, 8:30:52 AM

好きな色
心晴れやかに
側にいるだけで
解きほぐし
ときめかせる
時に
思いがけない色だったり
過去の色でもあり
心揺らす香りのような
まるで霧のような
温度さえ感じさせる
硬直も
息苦しさも
解呪させる
光をうつして
鮮やかに
輝きを放つ
それは
好きという色



「好きな色」

6/21/2023, 2:55:14 AM

良くも悪くも
あなたがいたから
そう
お互いに影響を受け与え
良くも悪くも
または一方的に
孤独も充足感も
言い訳にも
生きる糧にも
どうとでもなる
あなたがいたから
それは生き物の息吹、音、気配
無機質な何かさえ
理由になりえるのか




「あなたがいたから」

6/20/2023, 1:34:01 AM


濡れる肩先に触れる指の波打つ脈拍
傘は静かに眠る




「相合傘」

6/18/2023, 12:58:36 AM

必ずあるわけではない
どれだけ続くのかわからない
良いか悪いかもわからない
それでも
一度でも
夢を見ることを許してくれる
無限ではない時間の中で
時には癒やしてくれる
そう思える自分でありたい

鳥は卵の中で夢を見た



「未来」

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