いつものように気怠い朝だった。温められた湿度は、洋服からはみ出している体の一部をまんべんなく包み込んでいく。顔も例外ではなく、たった一晩の汗を、一瞬で生ぬるい分厚い膜に変えた。「だるい」「ぬるい」一歩を歩くたびに自然と愚痴がこぼれた。「だるい」「ぬるい」「だ…」それ以上の愚痴が浮かばなかった。「花占いかよ」男はくすりと笑った。いつものように朝支度を始めた。「日常」
6/22/2023, 11:11:04 PM