まるで修行中

Open App
5/1/2023, 3:46:04 PM

私の体の中にはいろんな色があって、まるで、おしくらまんじゅうのように、あちこちでひしめき合っている。
ある色ははしゃぎ、ある色は塞ぎ込み、ある色は囃し立て、それぞれが思うがままに振る舞って私を困らせる。
集まらなければよいものを、なぜそんなに集うのか。
いっそ全てをごた混ぜにして、ひとつにしてやろうと思ったが、どうしてバレたのか、密かに近づいても上手く逃げられてしまうのだ。

私の中に住む色たちは、体のどの部分を切っても切っても現れる。
性懲りもなく、諦めることもなく、私に進めと言ってくる。
なぜ諦める、なぜ決めつける、いろんな色がそう囁いている。

4/30/2023, 1:09:06 PM

心から信じ合い、身を寄せ合い、時にはぶつかり合っても心から許し合い、素直に求め、すぐ側に疑いのないぬくもりがある日々を過ごしても、人は、楽園を求めるのだろうか?

4/29/2023, 11:35:02 AM

昨夜の余韻は風にのり、遠く遠くの砂漠の隅で、夜空を眺めるラクダの背中に舞い降りた。
突然の甘い甘い訪れに、ラクダはそうっと目を閉じた。

昨夜の余韻が風にのり、どこかどこかに消えてった。
窓を開けたその時に、すうっと飛んで消えてった。

4/28/2023, 1:32:52 PM

いつから始まったのか、わからなくなってしまったくらい長く長い、重苦しい旅の途中で、疲れ果て立ち止まった旅人は、ふと、つぶやいた。
「これは私だけの時間を歩く道。」
すると、丸っぽくて、全てが視界に入り切らないくらい大きな何かがやってきて、旅人に、ニヤリ顔でこう言った。
「お疲れ様でした」
すると、今まで見えていた細い砂利道が、すうっと消えた。
「私の道はもうここまでということか」
旅人は少し残念そうな、安心したような、何とも居心地が悪い気持ちになった。
しかし、後悔はなかった。
後悔が浮かばないことに驚いた。
「あなたの歩いた長さはこれくらいです。どうお感じになるかはわかりませんが、ほら、ごらんなさい。私の掌にスッポリ入ってしまうでしょう?」
大きな丸いだろうものは、ペラペラとした掌の上にのせた道を見せた。
「私には、あなたの掌が大きいのか、小さいのかが、わからない。どうしてだろう? だから、歩いた道の大きさも、長さも、わからない。わからない以外、何も感じない」
しかし、だんだんと旅人は、何だか惜しい気持ちになってきた。
「今までそれなりに歩いてきたのに、わからないとしか感じないなんて。これでいいのだろうか。何だかもったいない」
丸いのはニヤリと微笑んだ。
「おや、あなたはそうお感じになるのですね。では、続きを歩きますか?」
「まだ途中だったのか」
「あなたが、そうお考えになるのならそうでしょう」
旅人は考えた。
またあの道を歩くなんて、いや、どんな道だっただろうか?
旅人は驚いた。
どんな道だったのか、まるで覚えていないのだ。
刹那、丸いのは消えた。
「残念です、私をお忘れになるなんて。
私はあなた、あなたは私。私は私、あなたはあなた」
しん、と急に周りが白く静かになった。
そこには何もなかった。
ただ、摘まれて少ししんなりとした小さなタンポポだけが、そうっと落ちていた。










4/27/2023, 11:17:36 PM

長く生きれば生きるほど、考えない時が来るのだろうか。
意味を見出さなければいけないのだ、という勝手な呪縛から、完全に逃れられる時が来るのだろうか。
意味など誰にもわからない、なぜこの世の全てが始まったのか、果たして、それらは本当に存在するのかさえ、誰にもわからないのに。
私は、あなたは、今存在していると思われている自然や宇宙も、それらと同じ物質であるという事実。
溶け込むように、馴染むように、無であれ、無の中の喜び、一体感。
それこそが生きる意味かもしれない。
宇宙の写真には、地球や命を思い出す、どこか懐かしさがある。

Next