誰かしら?
白くて無機質な病室。
ノックの音が響く。
入ってきたのは知らない男の人。
この男の人、
「誰かしら?」
白くて無機質な病室。
指の震えを隠すようにノックをする。
中にいるのは愛する君。
君は言う。
「誰かしら?」
あなたは、
もし大切なあの人が
自分のことを忘れてしまったら
どうしますか?
私は悔いのないように
1日1日を大切にしようと思います。
芽吹きの時
…若葉が大地から芽を出した。
若草色の葉が、赤茶色の大地から顔を出す。
喜びと楽しみを養分に、広い青空に手を伸ばす。
…僕が君に手を伸ばした。
白くて日焼けもしていない肌が受け止める。
悲しみと苦しみを養分に、広い自由に手を伸ばす。
君がきっと手を引いてくれるから。
君が苦しい時に手を伸ばせるように、
僕は僕という名の逃げ道になろう。
あの日の温もり
「ほら、こっちにおいでよ!」
差し伸べられた小さな手。
僕は小さな手で握り返した。
あの日の君の笑顔。あの日の君の手の温もり。
忘れることはない。
「…大丈夫だよ。」
背中に乗せる大きな手。
不器用な僕だけど。決して立派ではない僕だけど。
僕も君のように。
cute!
例えばあなたの身近な大切な人。
大切で、守ってあげたいと思う。
なら、それは"cute"だ。
…周りの人はその人を醜いと言うかもしれない。
けど、自分にとっては"cute"!
ねぇ、"cute"ってなんだろう?
世界で"cute"って溢れてる。
でも"cute"があるだけで、
世界は少し明るくなる気がする。
ねぇ、"cute"って、愛だ。
君も、ほら。
きっと誰もが誰かの"cute"。
たまには自分を鏡で見て、
"cute"!って
認めてあげる日も
あってもいいんじゃない?
それだけで、明日はきっと笑えるような気がする。
『I'm cute!』
記録
記録#xxxx年x月3日実験体A
今日は比較的おとなしくしていたようだ。
食事も昨日と違って完食していた。
私には当たりがきついのは難点だ。
だが、この環境にも慣れてきたのだろうか?
記録の記録#xxxx年x月3日実験体A-a
今日も変わらず実験体Aの観察をしていた。
まだ自分が実験対象で観察されていることには
気づいていないようだ。
…また私も実験対象なのかもしれない。
…人間は愚かだ。
自分は上位の存在であると勘違いする。
命に上も下も実験体も観察者も
ないというのに。
命の価値は平等だ。
それを下げるのか上げるのかは君次第だ。