魔法
もしもまほうがつかえるなら
ぼくはそらをとんでみたいな。
そらがとべれば
ほしがすきなきみもきっとよろこぶとおもうから。
ほら、流れ星だよ!…あれ、どうしたの?
もしもま法が使えるなら
ぼくはしゅんかんい動をしたい。
しゅんかんい動ができれば
遠くに行っちゃったきみにも会えると思うから。
ねえ、どこに行っちゃったの?
もしも魔法が使えるなら
僕はただ一度、もう一度でいいから
君に会いたい。
きっともうどんな魔法でも無理かもしれない。
それでもいつか会えるまで、
まっててね。
『星になった君へ』
夜空を駆ける
僕らは流星じゃないから、
夜空を駆けることはできないけど。
夜空のような光の散る闇の中を駆け抜けていく。
いいことばかりじゃない。
嫌なことだって何度も何度もある。
それでもいつかその命が燃え尽きるまで。
僕らの人生なんて星達にとっては一瞬の出来事だ。
その一瞬を必死になって。
その命を必死になって。
僕らは流星のように一瞬の夜空を駆け抜ける。
ほら、となりにはきみというなのながれぼしがいる。
だから、ひっしになれる。
またぼくらはひっしにいきてく。
よぞらにあこがれた
しょうねんじだいのように
かけてく。
ひそかな想い
いつも私は自分を偽って彼女たちといる。
ほんとはやめてほしい。
いじっているだけのつもりだろうけど、心が痛む。
「やめなよ!」
声を上げたその時。
彼女たちのどこまでも赤い目がこちらを向いた。
いつも僕は自分を偽って彼女達といる。
本当はやめてほしい。
いじってるだけのつもりでも、心に痛みが響く。
「やめなよ!」
…助けてくれた優しい少女。
今度は僕が助けるべきだ。
口を開こうとした瞬間、
少女は澄んだ青い目でこちらを向き、
人差し指を口に当てた。
"しー"
そして僕は声を上げられなかった。
僕は彼女みたいに強くは、優しくは、なれなかった。
きっと僕の目も、果てることのない赤い目だ。
あなたは誰
夢を見る。
その夢はきっと悪い夢。
目を覚ますと涙が頬を伝っているから。
思い出せない。
『あなたは誰…?』
涙と共にその言葉だけがこぼれ落ちる。
夢を見る。
その夢はきっといつかの現実。
目を覚まして、去り行く背中だけが鮮明で。
思い出したい。
でも、きっと思い出してもつらいだけ。
『あなたは誰?』
そしてまた、夢を見る。
これもまた、夢なのかもしれないけれど。
手紙の行方
書いた手紙を二階の窓から紙飛行機にして飛ばした。
誰にも届かないかもしれないけれど。
思うほど飛んでいきやしないかもしれないけれど。
風に乗って、飛んで、飛んで。
いつか誰かの心に届けばいい。
涙で滲んだ手紙を二階の窓から飛ばした。
涙で滲んだ跡だって僕が書いた証だから。
涙は本当の僕の心だから。
心は、綴って、綴って。字に乗って。
いつか僕の心に届くんだ。