泣かないよ
明日、この家を君が巣立つ
浮かぶのは
幼稚園の園庭で四つ葉🍀見つけては
持ち帰ったこと。
おかあさんにプレゼントと手渡ししてくれた。
かえるにダンゴムシ
カマキリ、虫大好きだった5歳の君。
小学生から始めた野球。
高校まで9年も続けた。
補欠でいつも仲間の活躍の応援ばかり。
欲のない君は、レギュラーを望むことなく
凹むこともなく楽しそうだった。
いよいよ明日、
社会人8年生にピリオドを打ち、
ずっとやりたかった夢に向かって走り出す。
欲のない子だった君が欲を出して
ずっと諦めず心の隅に抱いた夢。
どんな時もおかあさんが一番の応援団。
たくさん君との時間に笑顔をもらった。
だからおかあさんは、泣かないよ。
明日、最高の笑顔で君を送り出す。
私の息子でいてくれてありがとう。
平穏な日常
今が一番平穏。
ご飯が毎日食べられて
たまに風邪ひくけど
大きな病気もなく。
飼ってるねこ3匹と
日向ぼっこ出来ること。
庭に紫色のクロッカス咲いてた。
春が来たと思った。
空が真っ青で雲一つ無く晴れてた。
13年前、寒い日で小雪が舞っていて。
311の記憶と比べたら
今日は、とても平穏ないちにちだよ。
そういえば、おばあちゃんの命日。
おまんじゅうとお茶お供えしよう。
ひなまつり
母は、
五段飾りの本格的な木目込み雛人形の材料を取り寄せ、
仕事が休みの日や
家事の合間など、時間を見つけては、作っていた。
もう40年以上前のことである。
毎年、五段飾りを座敷に3人の娘たちに
飾ってくれた母。
ある時
母がポツリと呟いた。
自分に雛人形欲しかったのよね。
実家は、裕福でなかったので雛人形など
買えなかったから自分で作ってみたかったのよ。
3人の娘たちにと言いながら、実は、一番
欲しかったのは母。
わかる。
母の年齢に近づき母の気持ち痛いほどわかる。
いつも子供のため24時間母でいたら辛い日もある。
たまに自分も娘に戻りたい。
3月3日の1日だけでも自分のためのお雛様
飾って自分のためのひなまつりしたい。
ささやかな母の夢。
母が亡くなり雛人形は、箱から出して飾らなくなった。
私たち三姉妹は、皆、子供は、男の子だったから
なおさら雛人形は、飾ることもない。
最近、私も小さな雛人形を集め始めた。
母の作った五段飾りの雛人形には及ばないけど。
自分のためのひなまつりをここ数年、
一人密かに楽しんでいる。
母の嬉しそうだった顔を思い出す。
「誰もがみんな」
幸せ願いますよね、みんな。
私の苦手な人も、意地悪な人も
幸せを願うのは同じ。
人と人は仲良くなりたくても
なれない人がいて。
矛盾の中、み〜んな自分の幸せは
願う。
時々偏屈な私は、疑問の嵐でつぶれちゃう。
誰もが皆同じではないと気づく。
街へ
同じ場所にずっと居ると
まったく違う場所に引っ越したくなる。
引っ越しは、叶わないから
街へ出かける。
電車に乗ってふらりと
何駅か先の街に降り立つ。
言ってみれば気分転換。
青空だったら最高の気晴らし。
雨ならちょっと目立たない小さなカフェで
お茶をする。
たった一人は、さみしいけど
小さな孤独な時間は、それはそれで
心の浄化になる。
たまには、スナフキンのように
彷徨う旅人気分もいいものだ。