恋をまだ知らない君へ
それは突然やってくるかもしれないし
一生出会わないかもしれない
周囲の声に踊らされることもある
でも大丈夫
君は君のままで
君のやり方で誰かを愛せばいい
別れをまだ知らない君へ
それはどんなに望まなくとも
誰のもとにもいずれは必ず訪れる
涙が溢れて止まらない夜もある
でも大丈夫
君は乗り越える力を持っているから
沢山悲しんでまた歩き出せばいい
猫吸いをまだ知らない君へ
あれはとても素晴らしいものだと
言葉の限りを尽くして伝えたい
柔らかく温かくふわふわな感触から
離れられないこともある
でも大丈夫
猫吸いは心の健康にとても良いから
心のままに
思う存分に吸えばいい
日陰
それは真夏のオアシス
灼熱の太陽から身を守る盾
紫外線から逃れるためのバリケード
日陰を求めて彷徨う者よ
どうか健やかであれ
日陰
それは真冬の監獄
陽の光のぬくもりを遮る壁
積もる雪を溶かさないための冷凍庫
日陰に震え逃れようとする者よ
どうか健やかであれ
黄色い帽子かぶって
ランドセル背負った
花びらが東風に舞い
目の前で春を告げた
麦わら帽子かぶって
自転車を漕ぎ出した
西日に耳を傾ければ
飛ぶ鳥が夏を呼んだ
団栗が帽子かぶって
足元へひとつ落ちた
鼻先に揺れる南天は
風の噂で秋を知った
毛糸の帽子かぶって
口から白い息吐いた
北極星を道標にして
月が冬の道照らした
東西南北
花鳥風月
目耳鼻口
春夏秋冬
電話をかけている人が、発信ボタンを押すその時に。
ティッシュを配る人が、通行人にティッシュを差し出すその時に。
カフェの店員さんが、注文を取りに行くその時に。
買い物をする人が、初めてのお店に入るその時に。
大きな通りを走る車の運転手が、右折をしようとするその時に。
ひとつひとつに必要だった小さな勇気。
当たり前の日常風景にうつるすべての人は、勇者なのかもしれない。
「わぁ!パパママ見て、サンタさん今年も来てくれたよ!」
実はね、三日前にパパの車のトランクにプレゼントが入ってるのを見つけたんだ。
でも嬉しいのは本当だから。驚いたフリ、上手くできたかな?
「わぁ!ママのために用意してくれたの?びっくりしたよ。ありがとう!」
聞こえるヒソヒソ話、机の上に置きっぱなしだった『誕生日おめでとう』の手紙。
バレバレのサプライズ計画が愛おしくて。驚いたフリ、上手くできたかな?
「わぁ!なーんだ、思ってたより全然元気そうじゃん、お父さん!」
この前会った時よりも随分と痩せて老けた父へ、心配な顔を見せるのはまだ早いから。いつも通りの呑気な娘のフリ、上手くできたかな?
追伸
「わぁ!また投稿にハートが付いてる!嬉しいなあ!」
『もっと読みたい』のハートをくれる方、ありがとう。毎日とてもとても嬉しいです。