10/15/2023, 11:14:57 AM
鋭い眼差し
全身で鼓動を感じるアディショナルタイム
疲労困憊の全身が時間を遅く感じさせる
流れる汗、駆け抜ける風、轟く声援
スローモーションに見えるそのボールを
しっかりと捉えて一蹴り
「一蹴入魂!いっけぇーーー!!」
ベンチの監督は鋭い眼差しでこちらを見て
腕を組んで静かにうなづいていた
吠えたキャプテンの想いは真っ直ぐに
終了直前の逆転ゴールを決めたのだった。
9/28/2023, 10:59:51 AM
別れ際に
「今日はありがとう。」
デートの終わりには必ずかしこまって感謝をしていた彼は数年後、
めでたく彼女と結婚しその翌年に子供が生まれる。
それが私の旦那。
9/27/2023, 12:42:39 PM
通り雨
カランとアイスコーヒーの氷が音を鳴らした。
カフェのカウンターで1人。
小さくため息をついたその時、スマホが鳴った。
お待たせの文字、駐車場にはいつもの青い車。
「すいません、アイスコーヒーL、テイクアウトお願いします。」
外に出ると地面は濡れているものの、空には虹がかかっていた。
9/21/2023, 2:16:00 PM
秋恋
もみじの色を変えるその風は人肌を恋しくさせ
誰かに寄り添いたくなるのも
晴れたと思ったらすぐに雨が降り、時に嵐が来る
乙女ゴゴロも
秋の日はつるべ落としとあるように
あっという間に終わるようなのも
真っ赤に色づく落ち葉のように
情熱的なのも
夏の暑さを耐え忍び実りあふれる
豊作なのも
みんなみんな秋恋
ホッとするのも儚いのも秋恋
7/25/2023, 1:31:18 PM
鳥かご
脱走を試みて入口をしきりについばむ鳥は
その外で静かに爪を研ぐ猫を知らない